#71

生きたくても生きられない


今日の出来事 自分


「みなさんは、亡くなった息子の分まで精一杯生きて欲しい」
中学1,2年の時に続き、同じ出身中学の人がおととい亡くなった。
話によると、亡くなった彼は「急性リンパ腺白血病」という重病が入学寸前に再発し、試験に合格したのも関わらず入学式には出れなかった。
親は仕事を辞めて四六時中彼を見守り、入学後の教科書販売に行って教科書を買った。その時、もう回復が無謀だと言うことは知っていた。ただ、
「一日でも、一時間でもいいからみんなと机を並べて授業を受けたい」
その思いは病気とは別だった。
彼は全ての行動の中で一番の楽しみは「教科書を読む」ことだという。
その思いも空しく彼は一昨日息を引き取った。
彼は、生きたくても生きられなかった。
そういう人がいる以上、今の時間はかけがえのない物だと思った。

帰り道―
ふと空を見上げると細い、長い、向こうが見えない飛行機雲がキャンパスを区切っていた。
彼に違いない。そう思って自転車をこいでいた。
いつの間にかその雲は、跡形もなく消えていた・・。

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