#139

3年前、夏休みの出来事


ゲームのプレイ日記 自分


3年前、8月31日。
僕は「大乱闘スマッシュブラザーズDX」というゲームの大会に参加した。
夏休み最後の思い出にと、ブロックは違うが同時出場する弟と、練習した。
僕の使い手は「Mr.ゲーム&ウオッチ」。
非常にマイナーな隠しキャラである。
メリットよりデメリットのおおいこのキャラを使いこなし、
大会に臨んだ。
大会では2,3割ほど同じ中学生で、
あとはやはりというか、小学生だった。
そして来なかった席の穴埋めにと、飛び入り参加の募集のアナウンスが響いた。
店内にいた3人の高校生が来た。
1回戦、「ポケモンスタジアム」にて。
このトーナメントは4人同時対戦を最大3回行う。
つまり、予選をして、上位2名が2回戦。
さらにそれで上位2名に残ったものが決勝。
最後の対戦に勝つと各ブロックの優勝者が集まり、
さらに勝つと全国大会行きということで東京に行ける。
ちなみに参加の動機は楽しむためであって、
僕は東京に行きたいなどという気持ちは蚊ほどもなかった。
僕の作戦はやや卑怯臭い。
というのは、とりあえずマイナーという、ある意味“弱さ”を見せつけ、
2回の対戦を2位で勝ち上がる。
決勝はどうでも良かった。
対戦ではできるだけスマッシュ(決め技の事)を多く繰り出し、
撃墜数(制限時間内に相手を落っことした数)を稼ぐ。
それらは狙い通りに行き、1回戦は2位で通過した。
2回戦、「ポケモン亞空間」にて。
対戦相手は小、中、高学生各一人。
これも2位で通過した。
そして決勝戦。
多くの子供の目が注がれる中、正規の参加者は僕一人が生き残った。
つまり決勝戦は相手が全員高校生。そしておふざけなのか、
その3人は全員同じキャラクター、
しかも苦手な「ファルコ」というキャラだった。
当時はその高校生の肩ほどもない身長の僕は、身を震わせ縮ませ、勝負に挑んだ。
決勝戦、「レインボークルーズ」にて。
ステージのランダム選択決定時に、僕はもう負けたと思った。
よりによって一番苦手なステージだからだ。
制限時間3分のうち、最初は良かった。撃墜数を奇跡的に12も稼ぎ、
観客陣から応援の声が挙がるほど、僕の勝利は揺るぎなかった。
そこまでは。
後半に入り、僕がこのままだと優勝すると言うことを認識してしまった。
それから、足はがくがくになり、これ以上にない緊張を覚え、
そしてどんどん自滅してしまった。
観客陣からは落胆の声があがる。
終了した。2位だった。
撃墜数16、落下数4、自滅数8、-2点。
僅かな差だった。最後の1秒で自滅していなければ、
延長戦に持ち越すこともできた。だが、負けた。
別にどおってこと無い、そう自分に言い聞かせて無言のまま会場から去った。

負けたとはいえ、いい思い出になったとつくづく思う。
あの時の緊張は、もう味わえないだろう。
今はもう、そんな無邪気じゃない。
その内ゲームに対する熱意も、だんだん冷めてしまうと思うと、
あのころ負けた自分が羨ましい。
それでいて何も言われなかった頃が。

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3年前、夏休みの出来事” へのコメントが 3 点あります

  1. すごく、緊迫したムードが伝わってきました。

    読みながら、私もその大会の観客になったような気持ちになりました。

    最後は残念でしたが、いい思い出となってよかったですね^。^

  2. いや、負けて良かったと思います。
    負けたからこそあの時は思い出になったのであって、
    仮に地方大会決勝戦に進んだって、当時は宿題で出られませんでしたから。
    ゲームって、勝って嬉しいものですけど、
    「負ける」ということに学ぶことも結構多いんです。

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