#1258

孤独心の話


今日の出来事 独り言 自分


友達と縁が切れても仕方がないような事をしたのに、
1日が経った今も大して大きな感情はない。
自分にとって、今唯一の友達という人たちにあんなことをしたのに、なんとも思わなかった。
こうして見て考えると、僕はこの半年で「友達」という人間関係に対して
何らかの障害物を生み出し、それを相手に向けているのかもしれない。
講義終了後、休み時間ケータイをいじっているか音楽を聴いているかしかしない自分に
話しかける隙などないだろう。それは自分が話しかけられるのを
拒絶しているからかもしれない。もう友達なんていらないというのは冗談だと思っていたが
無意識ではそれを実行しようとしているのかもしれない。

こんな自暴自棄になり果てた僕に唯一残っていた存在――。
その彼らも、無意識のうちに自分の中では価値を下げていたのかもしれない。
最後の砦でも、これで会うのが最後かもしれないというのでも、
それで明るくふるわなければいけない義務はない。
そんなことをうやむやに考えながら、僕はこの日、最悪の時間を過ごした。

*  *  *

ケータイ機種変が終わったのが予定より1時間遅れの12時。
初期設定やデータ移動をしようとしたが、集合の13時には間に合わず
大幅な遅刻になった。しかも、家を出た瞬間から雨が降り出す。
仕方なく最寄りのコンビニで400円の傘を買い、ついでに遅刻する、と
新機種で最初のメールを送信する。
自転車をこぐこと30分、集合場所に到着する。

具体的に何をやるかは決めていなかったが、DSを2台持ってきてくれと言われたので
朝に充電してカバンの中に入れていた。
てっきり集合場所から誰かの家に移動するのかと思っていたのだが――。

集合場所には誰もいなかった。というより、その場所に行くのが初めてだったので
そこそこ迷った挙句、先に到着していた2人に会った。
僕でも30分遅刻だったのに、あとの3人はまだ着いていないらしい。
電話をしても出ないので、仕方なく僕ともう一人、昼食を食べていないこともあったので
近くの飲食店で食事をすることにした。

2時半頃、主催者ともいえる残る1人が来た。
あとの2人は、1人は欠席でもう一人は宿題が終わらないので15時に行く、
というはずがその15時になって映画を見に行くと言いだし、来なかった。
これだけ集まりが悪いのも珍しい。
これから何をしようかということになり、カラオケに行くことになった。
僕は絶対歌いたくなかったので、同じ出張をする1人と抗議したが却下され
結局4人で入ることになった。
みんなの歌声を聴くのに30分210円取られるのか、
まぁ多分最後だろうし、今回ぐらいは・・と考えていたのだが、
ここから僕の中の心はどんどん明るさを失っていった。

確かに、カラオケに来たのなら歌わないと損だと思うし、
歌わずに帰ろうというのもおかしな話だというのは分かる。
けれど、機種変後の作業も後回しにして、傘に400円も使って、
DSも持ってこさせておいて、そして歌いたくないというのに無理やり引っ張ってきて、
絶対に音痴とは言えない歌声を聞かされた後に
どんなに気遣っても「歌え」と言われたら、少なくとも僕は納得いかない。
僕も一応人間だから、絶対に歌えないなんてことはないだろうし、
カラオケでの第一声はすごく恥ずかしいけれど歌い始めればもう大丈夫だろうという
その意見もなんとなくわかる。
でも僕は、少なくとも今日は歌いに来たのではないし、
心の準備みたいなものもかけらもない。
そんなことを口に出したわけでもないが、しつこくマイクを目の前に持ってくる友人が
かなり、俗語を使えば、ウザったく見えるようになってきた。
それも、その感覚が無意識のうちに自分を占領していた。
なんとしてでもここを抜けだそう、という気持ちにいつの間にかなっていた。
ここまで気落ちしたら、もう天地がひっくりかえっても歌える気がしない。

僕は友人の声掛けを無視して、カラオケボックスを出て受付に行った。
1人だけで途中退室ができるかを聞いて、お金を残る人に預ければいいとのことなので
部屋にいったん戻り、千円札を置いて出て行った。

僕は、この日がきっと楽しい日になるだろうと信じて、
この日を携帯機種変の日に選んだ。みんなといれば、
楽しい時間になるに違いないという確信があった。
それが、自分がこんな性格だからために、こうなってしまうとは思いによらなかった。
本当は歌ってしまえば、何もかも良かったはずだ。
この年になってカラオケで歌ったことがない、という壁を破ればよかっただけだ。
心の中の自分の歌声と実際の地声のギャップに目をつぶればよかっただけだ。
そうすれば、きっと今日は最高の日だった。
それなのに、なんでこうなったんだろう。自分のこんな性格がいけないのか。
それとも、ここに至るまでの行程が悪かったのか。
とにかく今日は最悪の日だった。

『今度集まる時は、呼ばないで』
帰宅後、そんなメールを送った。もう後には引けないと思う。
思えば、僕はいつもこうやって人間関係に亀裂をいれていった気がする。
仲直りする方法もしらないで、ただ地面をたたいている、そんなことばかりしている。
不器用だな、と我ながら思う。僕は今着実に、“とじこもった人間”の完成へ走っている。
もう殻割って話し合う友達はいらない、と感じている。
大学後期もきっと前期と変わらない生活だろう・・。

しかし、数時間後の返信で自分が書いたという絵を添付して感想を聞いてくる友人だった。

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