#2008

2008年の思い出


独り言

人は、ただ自由時間を与えられただけでは多くを生み出すことはできない。
往々にして何かを生み出すには自由時間だけでなく「きっかけ」が必要であり、
その「きっかけ」というのはたいてい、他人にもたらされるものである。
大学時代の自分も、自分なりには一生懸命に生きていたのかもしれない。
しかし現実には、高校時代と比べるとどうしても見劣りする現実がある。
与えられた自由時間に充実度が反比例してしまっているのである。

2008年は、前年秋に始まった『ピクミン2』のやり込みの続きから始まった。
これはまさに、ネット上の視聴者にきっかけを与えられた企画だった。
最終ステージに辿り着いたにもかかわらず
バグが原因のトラブルによってすべてやり直しになったり、
何百回というリトライ回数に心が折れそうになったり、
実家帰省やスマブラX発売日という明確な期限に急かされることもあったが、
無事に最後まで攻略することができた。
ラストボスを倒したとき、あまりの感激に目の前が真っ白になったあの記憶は忘れない。
それは、高校時代から続くゲームやり込みプレイヤーとしての、ひとつの到達点だったと思う。

動画連載『ピクミン2 最小限で8日クリアを目指す』は成功に終わり、
ニコニコ動画のデイリーランキングにも連日掲載されるなど一定の評価を得ることができた。
コメントで数多くの人からもらった「お疲れ様」「ありがとう」を、今でも忘れられない。
それはある意味、ネット活動としてのひとつの到達点でもあったと思う。

2008年はそのように前年末の企画の続きから始まったが、
それが一段落してからは酷いものだった。思えば、ピクミン以降はロクにゲームもしていない。
では何をしていたのか。

2008年は「2007年の続き」と「大人の第一歩」という、二つの面を持った年だったように思う。
2007年の続きとはつまりニコニコ動画ユーザーとしての二年目ということであり、
とりわけ音楽ゲームのノンストップメドレーに、それはもう夢中になった。
あまりにもデザイン面で惚れたこともあって、自分でもメドレーを作り出したり、
ブログのトップイラストにそれの影響を明らかに受けたイラストを掲載したりした。
それらは黒歴史と言ってしまえばそれまでなのだが、
デザインに対する考え方の基礎を作ってくれたと思えば、大きな収穫だったのだろう。

2007年の続きのもうひとつはもっと身にならないものだった。
それは一言で言えば「動画のエンコード」である。
オミトロンやffmprgなど、ニコニコ動画に触れるようになって出会った技術を駆使して、
低容量・低解像度の携帯端末にいかにして高画質な動画をたくさん入れるか、
という課題に何故か夢中になっていた。
この年に主流になったH.264をGUIで設定できる「X264」の設定はとても奥が深く、
何故かそれに虜になっていたのである。
今思えば奇妙な経験だったと思うが、当時はその試行錯誤が辞められないほど楽しかったらしい。

大人の第一歩とは、行動計画を具体的に紙に書き出すようになったことだった。
大学にいる間に、帰ってからの、あるいは今週末の、あるいはもっと長期間の計画を組み上げ、
自分のやりたいこと、興味のあることを整理していく。
それはもちろん今までもやっていなかったわけではないが、2008年はそれが如実に大規模化した。
今まではノートの片隅にメモする程度だったのがルーズリーフ1枚に堂々と書くようになり、
しかもそのノートの消費量は年間で100枚を超えた。
明らかに今までより書くペースが違う。

「もう大人だから」という自覚がその行動を促したのかどうかは分からない。
2008年は成人した年だったが、それに実感が伴ったことはまるでなかった。今でも実感はない。
ただ、思い返せば2008年はピクミン2以降はゲーム以外の何かに熱中した希有な一年だった。
音楽や動画エンコードや計画メモの他にも、
デスクトップ改造と言ってSamurizeやRainmaterといったソフトのカスタマイズにも熱中し、
さらには友達がいないことをいいことに、
巨大掲示板「2ちゃんねる」に書き込むようになったのもこの年だ。
一時は一日書き込み数300を超えるほど、廃人かのごとくニュー速VIP板で暴れ回っていた。
2008年は大規模なインターネットコミュニティに参加した最初の年とも言える。

つまり、2008年というのは、一人暮らしで自分だけのPCがあるというアドバンテージを、
思う存分楽しんだ一年だったと言えるだろう。
生活の中心がPCやネットになり、それ以外が徹底的に疎かにされた。
ひとつずつ書き出してみればいろいろなことをやっている印象にあるが、
結局のところ2008年の一年は、引きこもりのネットユーザーに過ぎなかったのである。

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