#2567

大学生の勝負 -後編-


今日の出来事


小論文試験が終わった瞬間から、
足が竦んで前に行きたくない感覚がみるみるうちに自分の身体に蔓延していきました。
それでもやっぱり逃げるわけにはいかず、躊躇の気持ちを押し殺して
半ば機械のように口述試験の控え室へ。
控え室前には受付担当の人がおり、案内された控え室に待機していた受験生は1人。
この人の次なら、待機時間はそれなりにあるかな……
などと考える余裕も全くないほどに、この頃から頭の中は真っ白になりっぱなしで、
待機していた自分以外の1人を差し置いて自分が呼ばれた頃には、
もはや完全に生きている感覚はなくなっていました。

案内されるがままに試験会場前の受付へ。
「荷物はここに置いていってかまいません。こちらのドアですので、
ノックをして入ってください」
躊躇するという感覚もこの時には壊れていたようで、言われるがままにドアをノック。
「どうぞ」
「失礼します」
ドアを開けて、そこにいたのは、9人の面接官。
「どうぞ、椅子のそばまで来てください」
ああ、自分はこの人達にぼっこぼこにやられたあげく殺されるのかなぁ、
などという事を思ったりもしながら、顔面蒼白のまま言われた通りに移動。
この時に流れた時間がどれほどかは覚えていませんが、
まさしく大学生活四年間の怠惰という自分の傷跡を切り開かれるがごとくの面接、
もとい口述試験が始まったのでした。

前日に友人とやっていた面接対策の内容は何一つ出ず、
最も突かれたのは大学での卒論テーマに関する事。
質問してきたのは人が良さそうな人だったのですが、
いわゆる卒論の発展としての修士論文のテーマという
自分が何一つ考えてこなかった事についていくつか聞かれて、
あげくの果てには
「大学院に入るまでに修士論文の内容をしっかり筋道立てて考える必要がありますよ」
みたいな事を何度か言われてしまいました。
面接自体、(2007年春のバイト応募を除けば)高校受験時以来7年ぶりで、
それも9対1という精神リンチみたいな状況は、
ただでさえスピーチが苦手な自分にとって尋常な事態ではないのは言うまでもなく、
実にさまざまなミスをしたと思うのですが、
一番やらかしたなと思うのは成績証明書の事を引き合いに出された時でした。
まず、
「筆記試験の結果を見させてもらいましたが、文章が綺麗で、
文章を書く力はあると思います」
と褒められたところに、まさに四年分の傷を開かれるように
「しかし大学の成績証明書を見させてもらうと、
専門科目の成績が芳しくないのですが、これはどういう事なんでしょうか」
と突っ込まれて、この時に完全にキョドってしまって
「でも単位は全部取りましたけど」
みたいな事を言ってしまって、面接官一同は笑っていました。
まぁ、その時は自分もつられてちょっと笑ったりもしたのですが、
冷静に考えると自分が四年間、成績に無頓着なほど怠けた大学生活を送っていたことを
実に分かりやすく表現してしまったという事になるじゃないか……。
「大学の成績の付け方が厳しいという事ですか?」
みたいに、相手からフォローを入れられて
苦しい言い訳をする展開になりましたが、
結果的にこれが大きなマイナスポイントになったのは間違いないんじゃないかと。
それはもちろん、実際に成績に無頓着だった四年分のツケとして。

首から下の感覚がないほどに緊迫した口述試験は、そんな風に続いていったのですが、
突然、
「それでは口述試験はこれで終わりです。ごくろうさまでした」
と言われ、挨拶の後退出しようと席を立ちかけたところで
「すみません、まだ終わっていませんでした」
と言われて、後半戦が突然始まりました。
その時も一瞬だけ明るい雰囲気になり、自分の面接官の先生方に対する印象は
思ったより全然よかったのですが、果たして向こうがどう思っているのやら……。
後半は、前半のような不祥事はなく、口述試験のミソでもある
志望動機やその先の話についても聞かれました。
これについては結局最後の最後まで自分の中では上手くまとまらず、
アドリブで言うしかなかったのですが、それにしては上手く言えたかなと。
ただ、ブログ書いている時点でなんと言ったか覚えてないんですけどね……。
改めて退出となり、第一志望の口述試験は終了。
しかしまだ修羅場は終わったわけではなく、むしろここが最大の修羅場でもある
第二志望の口述試験の会場へと向かいました。

ここ一年間に緊張した分をひっくるめても及ばないくらい、
この日はさまざまなプレッシャーに押しつぶされ続けていましたが、
唯一、その巨大なプレッシャーを持ってしてもなお、
逃げたいと思う気持ちがそれに押し勝つほど湧き出たのがこの時。
何しろ、自分の専攻にそれなりに絡んでいる第一志望でさえ
あの突っ込まれようだったのに、
試験前日まで受験する事すらおぼろげだった第二志望では一体どうなってしまうのか。
生半可な気持ちで併願受験を選んだ事を心底後悔しつつ、
今までの中で最大級とも言えるほどのプレッシャーを背負って受付に行きました。
待機時間15分はあっという間に過ぎ、試験会場へ。
今度の面接官は4人でしたが、自分でもよくわかっていない
いわゆる研究計画書について突っ込まれまくり、ボロが出てしまった感は否めず、
面接としてボロボロだったかと言われると肯定するしかない口述試験でした。
何より、仮に第二志望で受かったとしても
入学後にやっていく自信がないなと思わされました。
それはもちろん第一志望も同じですが、本意の大きさで言えば
第二志望は自信がない上に半ば不本意でもあるのでなおさら。
茨の道に進むとかそんなレベルじゃないというか……。
そんな感じで今後の事を考えさせられ、晴れて口述試験が終わった後も
なんとも生きた心地のしない時間を過ごしていたのでした。

一旦受験生控え室に行って、
貰ったパンフに書いてある駅行きのバスの時間を確かめると、次のバスは1時間10分後。
とっくに終わっている友人にメールを出すと電話がかかってきて、
帰りの電車についてあーだこーだと話し合っていましたが、
電車の時間を調べてみると、次の新潟行きはこの時点で1時間半後で、
すでに駅に着いている友人に待ってもらって同じ電車に乗って帰る事に。
在校生だらけで居づらい食堂で、音楽などで時間を潰した後、
猛吹雪の中バス停まで延々と歩いて、試験終了後2時間半後の17時に駅に着きました。

さらにそこから15分ほど、
駅の待合室でお互いの口述試験について感想を話し合ったりして、
新潟行きの電車に乗って19時半には新潟駅に到着。
電車内では、行きと同じくいつものskypeのような雰囲気でしたが、
もう試験内容について話す必要はないため、
本当にskypeさながらの雑談フィーバーでした。
駅に到着後、友人と別れて親の迎えの車を待ち、20時に帰宅。
1時間睡眠ともありこの日はさすがにブログを書く精神的余裕がなく、
祖父母家帰省の時のように書き溜めという形で、
03月05日の0時からこれを書き始めて今に至ります。

そんなこんなで、1時間睡眠にもかかわらず波乱の一日だった大学院受験当日。
あとは試験結果発表日を待つばかりで、
状況的にはこれからも生きた心地のしない日々は続くのですが、
せめてものこれから卒業式までのわずかな実家帰省は手放しで楽しみたいところです。

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