#2717

初授業


今日の出来事 備忘録


22時半就寝04時起床。
前期の補講日でもあり、前期最大の修羅場でもあったこの一日。
補講日とはいっても、金曜日の3コマの授業はすべて平常通りで、
しかも3限目の授業は1限目にも補講があるというスペシャルっぷり。
……そして、その1限目に控えていたのが、
三週間ほど前からちらほらと不安要素として挙げていた、
グループワークの本番発表の時でした。

「グループワーク」とぼかした表現のままでは書き進められないので
最初にぶっちゃけてしまうと、今自分がいるところは
一応、教育関係の学問を学ぶところなので、今までの専攻を交えつつ、
それをどう教えたらいいのか、
みたいな話が随所にちりばめられた授業ばかりなのですが、
そのほとんどすべては講義形式なので、大学時代に教職を全く取らなかった自分でも、
完全に蚊帳外というところまでは陥らずに済んできました(多分)。
ところが、ただひとつ“特論”という名称を冠しているにもかかわらず
ほとんど演習のような授業があり、
そこでは毎週のように受講生全員を交えて授業の方法論みたいなものを討論したり、
資料を用意してきて各々発表みたいな事をしょっちゅうしていました。
こればかりは完全に自分が蚊帳外にいた事は否めませんでした。
そして、先月末頃だったか、その講義(という名の演習)の教授が放った最後の課題は、
四人一組になって、ひとつの教材を研究してその成果を模擬授業で発表する、
というものでした。

さて、自分はというと、そういえば人前で喋る機会どころか、
知人と話す機会もなんだかんだでまだ少ないし、
その少ない中でもほとんど確実に「上手く喋れないなぁ」と後悔するような
いわゆるコミュニケーション障害すら自覚しているほどの人間です。
喋り下手というよりは単純に舌が回らない、声が小さい、アドリブが利かない。
そんな人間が何故教師を目指しているのかという話は
未だ未投稿の入学式の話に譲るとして、
まぁ、なにはともあれ模擬授業なんてできるとは思えなかったわけです。

案の定、最初に同じ講義を取っている知人と板書の練習をしただけの時はともかく、
次に実際に一人を相手に模擬授業をやろうとした時は、
「まぁ、ああしてこうすればいいだけだろう?」という妄想の領域から
実際に手と口を動かそうとする領域の間に物凄い壁がある事に気が付き、
その壁にもたれかかりつつテンションは一秒ごとに下がっていき、
結局その知人に醜態をさらしただけでその日の練習は無になったのでした。
ちょうどその前々日に、修論の方でも先行きがどうしようもならない
意欲不足の問題を抱えて、大学院を辞める事ばかり考えていた矢先だったので、
これでいよいよ持って退学の意志は決まったな、と思っていたのですが、
だからといって四人一組の模擬授業から逃げられるはずもなく。

04時に起きた直後から、指導計画案を見ながらでは到底形にできないということで
台本のようなものを作り、06時に大学に行って、先日醜態をさらした時と同じ知人に
二度ほど練習に付き合ってもらいました。
その時は、全く声が出なかったというわけではなかったものの、
眠たいのに付き合わされている知人の意地悪で「わかりませーん」と言われた時に
全く反応できなかったり、自分の中でもパニクってしまったりで
結局授業の形を成す事はできませんでした。
そうこうしている内に1限目の本番10分前になり、
「ああもう、逃げたいよ!」
と心の叫びを声にした2秒後くらいに教授が入ってきました。
練習していた事に関心されたりもしたのですが、
もう自分の中ではこの辺りから無心の状態になっていました。

模擬授業は、本来4時間一単元でやるものを80分(20分x4回)に分けて、
本来1時間かけてやるものを20分に凝縮したものを一人が担当する、というもの。
自分の担当は、周りの配慮のおかげで最も簡単な2時間目の
導入から展開に移る部分。
1時間目担当の人がこなれた手つきで、雑談なんかから気軽に初めているのをみて、
ああもうどうにでもなれ、という事ばかり考えていると、
いつの間にか20分が過ぎ去っていました。

前の担当の人が教壇から降りて自分の方を一瞥してきて、
大分間を開けてからゆっくりと立ち上がり、僕は教壇に立って
生徒役として来た見知らぬ数人の学生や、同じ受講生の知った顔を教壇から眺めた時に、
多分、何かが吹っ切れたんだろうと思います。
04時に起きてから考えていた台本とか、知人に貰ったアドバイスだとか、
そういうものがすべて頭の中から吹っ飛んだかと思うと、
ここ数年出した事のないような声が自分の中から勝手に出てきて、授業は始まりました。

*  *  *

授業が終わって拍手が起こった後、
次の3時間目の担当の人がまたこなれた授業を始めて、
最後は現職の人の面白い授業で締め、一応授業は形になったんじゃないかと思います。
僕はこの時、なんともいえない微妙な心持ちに身体をずっと占拠されていました。
なにしろ、自分でない自分が内側から出てきた感触などというものは
少なくともここ数年、もしかすると生まれてから一度も経験してこなかった事だったし、
何よりちょっと前まで退学すら考えていた自分の中にある根底には、
「なんとかなるだろう」という楽観視が失敗に導いたからこそ
今自分は落ちに落ちてここにいるんだ、という気持ちがあったので、
それを自分でひっくり返してしまった事に心底戸惑っていました。

教授や周りの人達からは、初授業とは思えないとかなんとか、
色々と褒めてくれたのですが、
冷静に振り返ってみるといくつかの傷がある事は否めず、
自分でこの事実をどう評価したらいいのか、終始ずっと困惑していました。
いっそ、大失敗をやらかしてしまえば月曜日の決心を固める事にもなっただろうに、
物事はやっぱり思い通りに運ばないものなんだな、と他人事のように思っています。
果たして自分はこの道に合っているのか否か、
それを考える猶予期間はどこにあったのか……。
なにはともあれ、今日が前期授業中最大の山場にして、
最悪の日にならなかったのは幸いでした。
むしろ、ある種の達成感をこんなに胸の内を占拠するような実感を感じる事になるとは
正直、思ってもみませんでした。実際大成功ではなかったと思うのですが、
授業終了直後は先日までのネガティブ思考は完全に吹っ飛んでいたように思います。
そんなこんなでいろいろあった、記念すべき初(模擬)授業でした。

5限が終わった後はポッパーの友人と久々に一緒にゲーセンへ行くことに。
5限の授業中に自分の携帯のバッテリーが空になってしまったので、
雨宿りがてら寄ったコンビニで1,280円もする携帯充電器を買ってから向かいました。
e-PASSの認証に携帯を使っているので、バッテリー空だと認識しないかもしれない、
という懸念からの出費だったのですが、
e-PASS認証は元々携帯と連携するものではなく、
ICチップを読み取っているだけと聞いたこともあるので、
もしかすると充電器は必要なかったのかも。
とはいえ、005SHの貧弱バッテリーに悩まされる事はこれまでにも多々あったので
充電器を持っている事自体はマイナスにはならないかなと思っています。
ただ、1,280円もするのに中身の電池はリチウムイオン電池ではなくて
いわゆる使い切りの普通の電池だったため、役不足な感は否めず……。
今度エネループでも買ってこようかと思います。
それにしても、友人の指押しでの大階段や逆階段の捌きには憧れるところがあります。
どちらかというと手が小さい自分は、階段を押す時に青黄ボタンを指で、
赤緑白ボタンを掌でバンバン押すというやり方が定着してしまいつつあって、
なんだか不格好というか、階段にいろいろ混ざった時にまるで対処できなかったり、
あとは何より逆階段耐性が全く付かずに困っているところ。
指押しを意識してやろうと思う時もあるのですが、
結局そういう事を意識しない方がスコアは安定するんですよね……。
軽い力で操作できない辺りは、まだ慣れていない証拠なのかなと。
今回はメダルゲームはせずにすぐにゲーセンを出て、
前と同じように帰りに牛丼屋に一緒に入って音楽の話やらなんやら雑談していました。

夜明けに起きたのに22時頃までなんだかいろいろあった一日。
これで夏休みに突入、だったら達成感も相まってどれだけ嬉しかったことか……。

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