#3335

音の粒に込める期待


音楽


先月、昨年同時期と同じようにエレクトロニカへの興味が強くなったことがありました。
なんでもAutechreが三年ぶりの新譜を出すとかで、
それも国内限定版は二枚組2時間09分もの超大作だとかで、
IDM方面はまだにわかもいいところという身分なのに期待しまくったものでした。
アルバムを購入後20日が経った今、
当該アルバム『』(2013)は今ゆっくり味わうように聴いています。
お気に入りは“vekoS”“T Ess Xi”“Cloudline”辺りでしょうか。
まぁヘビロテするほどではないけれどハズレでもないかな、というような感じ。

再生回数至上主義的な考え方が揺らいでいる今、
沢山聴くからうんぬん、沢山聴かないからうんぬんという昔の考え方には
ちょっと一歩引くようになっているので、
ここで『Exai』に対する自分のお気に入り度を詳しく計るつもりはありません。
ただ確かなのは、購入後と購入前の期待感との落差が少なからずあるのは事実かなと。

これはこのジャンルに限らない話ではあるのですが、
エレクトロニカに関してはこの傾向がかなり顕著なんじゃないかなと思います。
購入前の期待と実際に聴くときの期待に落差が生じるときというのは、
大抵そのアーティストに対する前情報が充実している場合、
つまりそのアーティストの二枚目のアルバムを買う場合によく起こります。
これは多分、エレクトロニカというジャンルが、
既存の音楽性に対する反抗心を持っているというか、前衛美術的要素が強いというか、
つまり同一アーティスト内でも
アルバムごとに音楽性ががらりと変わるパターンが非常に多いからだと思うんですよね。
だから、1stアルバムを買っていいなと思って2ndアルバムを買ったら
最初は「裏切られたなぁ」と思ってしまうこともしばしば。
2ndアルバムの良さが分かるまでには数ヶ月から一年以上かかることもあります。
Autechreというデュオ・ユニットなんてまさにその最たる例なんじゃないかなと。

お気に入りアーティストの新譜を買うときに期待感が高まるのは当たり前だし、
期待しなかったらそれはそれで問題があると思うので
それを抑制しようとは思いませんが、
どうも自分は限定盤という言葉に自分で思っている以上に弱いみたいで、
それに期待感を必要以上に煽られているような気はしています。

……実は今日突然、Autechreの初回限定版を買って間もないのに、
それと同時に今月分として買ったエレクトロニカ・アーティストの
去年末に出した新譜が気になっていてしょうがなくなっていたりします。
iTunes Storeでは1,500円、Amazonの通常版は1,750円、
オンラインレコードショップの限定版は約3,100円(+送料)……。

“独り言”のところどころで語っているように自分は少し潔癖症なところがあって、
好きなものはとことんコンプリートしないと気が済まない性分です。
ただ、音楽を買うということに関してもそれを徹底してしまうと
お金がいくらあっても足りないということは
2009年に音楽趣味が大きく更新したとき辺りから感じていたことで、
十指に入るくらい好きなアーティストでない限り、
ボーナストラック1曲のためだけに高い限定版を買うことには拘らないようにしよう、
と今まで心がけてきたつもりです。
まぁ、それでも国内盤と輸入盤が同時発売で、
国内盤が若干高いけれどボーナストラック付きという場合には
高確率で後者を選んできてはいるのですが……。
例えばショップによってトラックリストが違うなんていうアルバムの場合に
無理に二枚買ったりといったことはしないようにしてきました。

ただ、どうもエレクトロニカに関しては、
そのジャンル全体が自分のこだわりの象徴みたいになってしまっているらしく、
どうも抗いがたくふらふらと限定版を買ってしまいがちのようで。
さらにエレクトロニカの中でもアンビエント寄りの静かな音楽を選ぶときは、
どうしても金に糸目を付けない買い方になってしまいがちです。
最近であればBrian Eno『LUX』(2012)なんかがそうでした。
ボーナストラックも付かないのにやたら高い国内盤を買った記憶があります。
今回のも同じアンビエント系の音楽なんですよね。
さてどこまで妥協するべきか、あるいは妥協しないべきなのか……。

まぁアンビエントは自分にとってただの音楽ではないところに来ているし、
ミニマルで静かな音楽ということもあるので、
そういう風に良い付加価値を付けて音楽の期待感を高めるのもアリなのかも。
ただ、普段から商業主義的なアイドルポップを批判的に見ている自分としては、
そういう風に音楽ではない付加価値に縋ってしまうと
まるで二枚舌みたいになってしまって少し情けなくはあります。
とはいえ、アンビエントと商業主義的なアイドルポップとは
付いてくる付加価値がまったく異なるものだし、
同一に語れないものだとは思いますけどね。
あと、音楽には付加価値が切っても切れない関係にあるんじゃないかなとも思います。

という話は今はさておくとして、さて限定盤買うべきか否か。
とりあえず二ヶ月連続で同一アーティストのアルバムを買おうとは思っていないので
早くとも05月分の新曲として買うことになると思います。
音楽の中身については買ったときにでもまた書こうかなと。

今日は06時就寝12時半起床、
春帰省以来初めて実家で明らかに眠れない苦しみに出会ってしまった一日でした。
そして学生としては最後の一日でした。まったく実感はありませんでしたが。

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