#314

選りすぐった話


独り言 空想 自分


―いや、やっぱり「さよなら」なんて言えない。
言いたくない。
信じる心が、風前の灯火のようにだけど、まだある限り、
いつか逢うってことを信じたい。
“新しい”芽生えは多分、もう断念してる。

ちょうど1年前に逢った事は偽りのない事。
それを思い返し、自分なりに形づけた。
それで、彼女が生まれた。
確か去年の8月2日に、君にまた逢った時に、あの絵を描いた。
あの時はまだ下手くそな絵だったから、
思い入れがあるのは名前だけだった。
でも、今日それをまた描いてみたら、自分でも結構な完成度だったと思う。

彼女は夢の中で何度も何度も出会った君がモデルだから、
選りすぐったいくつもの中では最高だと確信してる。
絵を描く事が愚かな事とは思わない。特別楽しいというわけでもない。
ただこの気持ちをカタチにしたかった。それだけの話だ。

恥ずかしい話だが、今もそれが現実と結ばれると信じてる。
いつも帰り道に“あの交差点”でばったり逢うんじゃないか?と。

人は夢を見るけれど、それは所詮自分の理想郷以外の何物でもない。
他人の都合に合わせた夢は夢じゃない。
僕は“ちゃんとした夢”を見据えてこの1年、ぼーっと過ごしてきた。
夢は祈っているだけでは叶わないという事を知りながら、ただ祈っていた。
僕は今更過去を撤回出来るような言い訳は持ち合わせることはできない。
だからこそ、何もできずにいて、そしてこれからもそうなるだろう。

果たして“理想郷”は現実に転がっていないかもしれない。
だからいつか逢って、無視されるまでは「さよなら」は心の底にとっておく。

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