#404

それぞれの思い出・夏 2005-b


今日の出来事


帰省2日目。読み疲れて、起きたのは10時だった。
起きるやいなや「10時15分に海に行く」と言われ、用意を急かされた。
早速出発。
かなり多数のうきわを積み込んでいたので、それらを膨らませるのにまず時間がかかる。
特に3人乗りボートと1人乗りボートは膨らませるのに合計小1時間はかかったと思う。
早速、例年通り昨日“爆雷”が打ち上がった岩の下へ泳ぐ。
といっても、ボートはあまり上手く操縦できないので、
従弟が持ってきたビーチマットに乗って手漕ぎで急ぐ。
端から見れば変かもしれないが、これは疲れない上にかなり早い。

弟や従弟と共に岩下に到着した。
どうやら小魚がいるとのことだが、態勢は油断すると転覆、の状態なので潜れない。
というか、はっきりここで告白しておく。
僕は泳げない。それどころか、今では水中で目を開けるのも危ういと思う。
だから深さ推定2.5mはありそうなここで、ビーチマットを失ったら終わりだ。
そういう点では慎重にしていたが、面白いことに変わりはない。
泳ぎ進んで巨大なテトラポットまで行き着いたり、ぐるぐる遭難したりと、
それなりには楽しんだ。

親戚同士集まるのだから、当然親も沢山いる。
後に従弟の父以外は全員来るが、現時点では4人だった。
そんななか僕の父がボートを膨らますのを終え、末の弟とボートこぎをしていたらしい。
すると突然、そのボートをジェットボート(+α)が横切った。
父の乗っていたボートは転覆。ひとまず弟は助かったらしいが、
父がメガネを無くしてしまった。
海水浴を終えてから本部に言ったらしく、賠償金1万円を貰って帰った。
そもそもそのジェットボートは海水浴で本部が用意したアトラクションで、
ボートが大きな円形のゴムリフトを引っ張って水上ライドを楽しむというもの。
海水浴客にとってはこのように転覆する可能性もあるし、
ボートが過ぎたところでは高波が起こるので、
浮き輪ならまだいいがボートなら大迷惑なアトラクションだ。
僕も“高波”の被害に遭った時は一時転覆すると思った。
今年からの新たな試みらしい。余計なことはしなくていい。
それから、休憩中にとんでもないヤツを見かけた。
自分の息子を引っ張っては海に放り投げる父親。
いやだいやだと暴れる4,5歳ぐらいの男の子を抱きかかえて投げたり、
共に倒れたり、そして逃げようとすると腕を掴んでまた投げる。
これを7,8回。その男の子は本気で泣いていた。
さらに、おばさん臭さをぷんぷんさせている母親はそれをみて腹を抱えて笑っている。
泣いている男の子は幼いながら頼る人を失い、ただ砂浜で寝ころんで泣いていた。
こういうのを見て、なるとしたらこういう親にはなりたくない、と思った。
大昔水泳の授業で先生に同じ事をされたから余計その男の子に同情した。
もうやめてと訴え、泣く。辛い目に遭った時の涙の理由をその両親は分かっていないらしい。
ウンザリだ、と目をそらした。
そらした先に映った、17歳ぐらいの女の子が赤ちゃんを抱いて砂浜を歩いていた。
笑って歩くその姿がなんだかとても輝いて見えた。

帰った頃には既に3時半。僕はかなり疲れてしまっていたので、
5時まで寝てしまった。貴重な時間を削いだと思ったが、
その時間帯は起きていても別に何事も無かったらしい。
騒がしい夕食を終え、7人でトランプの“大富豪”をやっていた。
階下から手持ち花火をすると言うことで全員外へ。
12人で分ければどんなデラックスなセットでも一人当たりは少ない。
それでも綺麗な手持ち花火を楽しんだ。
吹き出し花火も綺麗だったが、やっぱり線香花火が一番だと思う。

その頃はもう8時だったが、突然アイスを買いに近くのコンビニまで行くことになった。
遠いらしいが、アイスが食べられるなら問題ない。
ということでアイス目当てでコンビニに行くのは10人中9人。
あと一人はデメリットの方を見据えて、きっぱりと断った。
それが正解だったと言うことになぜ気付かなかったのだろう・・。

的確な道のりも分からないコンビニまでの旅が始まった。
もちろん外は真っ暗闇。しかもど田舎なので、照明もかなり疎ら。
10分歩くと、Y字型の分岐点に差し掛かった。
誰もがこっちだという確信を持てない。ということで、何故か右へ。
トンネルが見えてきた。これがなかなか不気味な物に見える。
それをくぐると、なんだか見かけない場所にたどり着く。
あーだこーだと論議した後、多分あの分岐点で左に行くべきだったんだ、
ここから左の道に向かって歩けば大丈夫、という結論が出た。
しかしその道のりは誰も知らない、しかも照明一つ無い。
「これ・・軽い肝試しだよね」
と誰かが言っていたが、まさにその通りだった。
といっても“幽霊”など出てくる仕掛けもないので、そういう点では安心だ。
そして論議は正しかったらしく、ようやく知っている道にでた。
しかしそこから歩くこと20分。はっきり言って遠すぎる。
僕の今ここにいる家から最寄りのコンビニでも5分そこらで着くのに、
いくら何でも30分は遠すぎた。
へとへとになって9人でどやどやと入る。
しかしこのような団体は結構いた。というより、まず子供がいたことにびっくりした。
早々にアイスを選んで会計。そして帰り道に食べるのだが、最初の3分で食べてしまった。
残りの約27分、無意味な道のりだった。
あの時メリットにとらわれずに家でじっとしておくべきだったんだ、
と気付くのは遅すぎた・・。

祖父母の家には何故かカラオケセットがあり、
アイスをとっくに食べ終えたみんなは今度はカラオケをしようと言うことになった。
ところが、その機械が動かない。どうやっても動かない。
女子のうちひとりが大人に訴えるが、大人は酔っている。
特に祖父が酷かった。
「あーこりゃ壊れたなー今電話するから――」
といって現れ様すぐに階下へ消えた。
そしてしばらくするとまた来た。電話を片手に。
「だからー、それができないんだよ。どうやったらできるの?
手順を教えてよ手順を」
業者はかなり困ったと思う。まずは最低限のマナーが守れていない。
「あーっ?それができないんだってそれがー。
ちょっと今専門のヤツに変わるから」
そう言うと、祖父は僕に電話を渡した。
「えっ?」
「お前電気詳しいだろー?だからよく聞いて、あとでおじーちゃんに教えてくれ」
やれやれと電話の向こう側に話し掛ける。
「えーっと・・代わりましたけど・・」
ところが多少何故この祖父―業者間のやりとりが成立しているのが理解できた。
業者もまた、
「△×○■♪@#▼&$・・・」
意味不明の言葉を発していた。
僕はすぐさま様子見に来た従姉の父にバトンタッチ。
「すみません度々と・・今代わりました」
流石と言うべきか、従姉の父は状況を的確に伝えた。
その結果、業者は家に来ることになった。
どうやら“パスワード”が云々でやり方が複雑らしい。
23時。あれからまもなく業者が来た。
従姉の父相手に説明する。それを父は頷きながら、たまに疑問を発し、
解決の方向に向かっていた。
ところがたまに酔っている祖父が、
「あーもう壊れてるんでしょ?壊れてるんでしょ?
んじゃあもうボクいりませんよ。引き取って下さいよ。
3万払えば引き取ってくれるんでしょ?もういりませんから。
ハイ引き取って下さい。いりませんから」
としかし業者と父はやんわりと無視して会話を続ける。
「まぁこの定期的更新ができれば結構これは便利ですよ。
1万曲以上入っていますし」
「ですねぇ。でもやり方が・・。俺ここには長くいないんですよ。
彼、覚えられませんから」
「そのようですね(笑)」
「そもそも今日は停電が3回もあったんですよ。そのせいですよ」
そう訴える祖父に耳を業者が傾けた。
「停電?それは興味ありますね。この家だけですか?」
「いやいやここら一帯全部だよ!もう大変だよ。
だからそれは引き取って下さいよ。もういりませんって」
「何か適当な事をおっしゃっていますが・・本当ですか?
クーラーとかが原因なのでは?」
父が、
「そうですね・・ここブレーカー落ちやすいもので・・」
「やっぱり・・。熱を持つモノは電気くいますからねぇ。
ということはこの機器自体には問題ないと言うことですよね」
「まぁそういうことですね。ブレーカーのせいですよ」
「もうそれいりませんってば!さっさと引き取ってよ!もう・・
停電したのもその機械のせい――」
「カミナリ以外の停電では大丈夫のハズですよ。これは」
「へぇそうなんですか・・・」

そんなこんなでパスワードについては修理が完了した。
酔い果てて無様な祖父は放っておかれていたが、帰ったら従姉の父にメモを命じた。
けっきょくできる状態になったが、誰もがやる気にはならず、2時頃に就寝した。

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