#407

花火の詩 -sentimental ver.-


創作


買ってきた袋いっぱいの手持ち花火

右手をしっかり差し出して

火を点けるたびに笑い 驚いていた君と

たったふたりだけの花火大会

締めくくるのは線香花火

夜空に光る星達が観客

さぁ火をともそう

ふたりが持った糸の先へ

パチパチと光るオレンジの珠が眩しくて

君の横顔を明るく照らす

ずっと見ていたい

落ちないでほしかった

何かを呟くように光るふたつの珠が

しゃべりあっているように見えた

「綺麗だね」って言う君と

灯された儚いいのち

とても似合ってて

僕は笑って「そうだね」と

自分の花火を見て呟いた

落ちてしまったふたつの珠

切れた糸に何故かぬくもりを感じた

君の糸と僕の糸を結べば

僕らが輝く花火はこれから

さぁ火をともそう

ふたりが共に生きて行く路へ

—————————-
29作目。“線香花火”の詩、恋混じり仕立て。
線香花火、個人的にはかなり好きです。
打ち上げ花火が刺激的なものに対し、とても脆くて儚い花火・・。
なんだかその相対感がとても好きです。
で、この詩はそんな線香花火の切なさに“恋”という題材を塗り足したものです。
何故彼は綺麗だねと言われて彼女の顔を見なかったのか・・。
そこらへんが裏設定のつもりです。
というか、恋愛歴無いクセになんだよ「センチメンタルバージョン」って・・。
もしも変だったらすみません・・。サブタイのスペル間違ってたし・・。

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