#756

綿毛の詩


優しい木漏れ日に包まれながら

ついに綿毛は降り立ちました

綺麗な土にうずくまって

いつか黄色の花 咲かす為に


そばで日を指す日時計が

まぶしい線を描いていました

太陽は止まることなく

いのちを立ち上がらせています


種がいつしか芽吹いた頃

雨が木を濡らしました

容赦なく降る雨は

ときどき小さな芽を打ちました


なぐさめてくれるのは

いつもと同じ風

雲の間から射す光も

なんだか“がんばれ”と言ってる気がして


――支えられていると思った時

生き物は 同時に生きていると思う

儚い命を身の内に感じ

根拠のない勇気 溢れ出す

あのたんぽぽも――


春風が緑をなでる頃

綿毛はつぼみをつけました

ある日太陽が真上に来る頃

綿毛は花を付けました

黄色い大きい花でした


青い空へ向きながら

優しい木漏れ日の下で

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61作目。たんぽぽの綿毛の旅の終わりがテーマです。
僕の詩の中では自然と人間関係で大きく2つに分かれますが、
12作目「たんぽぽの詩」はそれらが入り交じってこそ成り立つ作品でした。
今作も本当はその流れを汲むつもりだったのですが、何故か心境的にできませんでした。
全体で見れば珍しく、ほぼ丁寧語の作品。