#900

一歩目の詩


創作


そろそろ始めなきゃ――

うつ伏せながら思っても 何もできないと分かってるのに

そこから動けなかった

“今頑張らないと――”

と言い聞かせられてきた そうだねと笑い済ましてた

実はなにも分かっちゃ、いない

このままじゃ ダメだ

変わるきっかけが欲しい 変われる自分でありたいと

祈るだけで なにも変わらない

何かしよう なんでもいい

すれば分かるよと小さな事を初めてみても 影から

“――お前 そんなことしてるの?”と言われる

取り残された

アナログ時計の秒針の音がやけに

部屋に響いた

そうだ

こうしてる間にも時間は過ぎていくのに

じゃあ何すればいいんだ?

そもそもなんで頑張らなきゃ いけないんだろう

そこで首をかしげて それで今日も終わる

結局なにもしなかった

未来が 不安で 不安で 頼りない時

今という瞬間も 頼りない気がした

過去どんなに頑張っても蔑まれ続けたのに

今だけは形だけでも頑張れる奴がいた

そこに行ってその先何すんの? ――なんて問われたから

ここで人生が大きく振れるのだと思った

将来が掛かっているという重荷を今に押しつけられても困る

今年だけは頑張れと言われても 毎年同じ時間しかない

だから全部振り切る事にした 最初からやり直す事にした

どうでもいいような目標を背に掲げ

どうでもいいのに本気になる ――それなら頑張れる気がした

未来には未来の自分がいる その日その日で何とかできると信じて

振り出しに戻ったのと 何も分からないとでは違う

自分で進まないと思ったらサイコロを2つ3つ投げてみればいい

人の歩む歩幅の最大はたった“6”なんかじゃない

何も夢はでかいものだけとは限らない

目の前に課題を与えられて それすれば願いが叶うのなら

とりあえず頑張ってみればいい

そうして人は常に いろんな方向に成長してる

一歩踏み出す勇気さえあれば 流れ任せでどうにでもなる

錨を上げないと船は動かないけれど

錨さえ上げれば船は自由に動ける

錨を見つめて浮かぶだけの船は

人がうつむいている姿に似てる気がした

名前を知らない一輪花の茎をテントウムシが登ってく

何ミリという歩幅でゆっくりと動き そして

花びらという頂に上り詰めた時 太陽へ向かって飛び立った

歩いた時じゃ考えられないほど遠くへ遠くへ飛んでった

花も知らない空のどこかへ

――そろそろ始めなきゃ

みんなきっと頑張ってる

もう十分休んだ ため込んだため息も吐いた

悔しい思いもたくさんした

全部ひっくり返そう 今頑張ればきっとできる

ちっちゃいけれど夢もできた

その何倍もの借りができた

若き日の時間がどれだけ貴重かは

今は知らない 何も分からないけれど

今歩いている

一歩踏みしめ

飛び立つべく

頂に向かって――

————————————
70作目。
受験生という自覚をタネに、「過去を受け入れてこれから頑張ろう」という事を謳った詩。
久しぶりに推敲を2度ほど通した大きな作品です。

今日で新潟県中越地震から2年。今も仮設住宅で暮らす人がいるなかで、
僕はこういう詩を書いておきながら、結局今日は遊びっぱなしでした。
受験勉強に苦しいのは、他でもなく自分がやらなきゃいけないことであって、
避けられない事でもあります。震災に比べればとても小さな事ですが、
僕にとってはどうも“一歩目”が苦手なようです。躊躇ったあげくその日は何にもしない。
そんな日は数え切れないほど過ごしてきました。
そんな僕にとっては、まさに変わらなきゃいけない瞬間が今なわけで。
同じ境遇の人がいるだろうと信じて、この詩を書きました。
同じ受験生に共感してもらえればな、と思います。
まともに勉強できる空間が乏しい環境の中で受験勉強を強いられている人がもしいたら、
そう言う人達に一番読んで欲しい気がします。

ちなみに、“一歩目”が簡単なポケモンの方はプレイ時間114時間23分、
最後のムウマージでようやくシンオウ図鑑が完成しました。
勉強もこれくらい取っつきやすければゲームのようにグイグイ進むだろうに・・。
まぁ、とっつきやすいからゲームなのであって、
逆に取っつきにくいのが勉強ということなんでしょうが。

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