#1988

決勝戦九回裏の奇跡


今日の出来事 文化


全都道府県中実質最下位の新潟勢、快挙となる25年ぶりの八強……
かと思いきや準々決勝の立正大湘南高戦では11-3という大勝。
新潟勢史上初の四強、そして次の県立岐阜商業高戦。
接戦を制してまさかの勝利、決勝戦へ。

まさに地元発狂の第91回高校野球選手権大会、その決勝。
この場に新潟勢がいるという事すら凄いと思わせられる甲子園クライマックス。
ラストボスは愛知県代表・中京大付属中京高校。
序盤はいきなりその中京に2ランホームランを入れられて先制するもその後2点を取り返し、
準決勝戦と同じく接戦勝負になるに思われた6回裏・中京の攻撃。
均衡が崩れたかのように安打を浴び、瞬く間に6点追加。戦況は日本文理を絶望させる8-2に。
7、8回と1点ずつを入れるも、7回裏にさらに2点の追加点を入れられ
点差はなおも6点、9回裏最後の攻撃。

8番若林が見逃し三振、9番中村も打ち取られて2アウト。
まぁ、ここまでよく頑張ったな、と思っていたところでバッターボックスに立った最後の打者。
2ストライク、3ボール、あと1つ空振りすれば試合終了。
というところで1番切手はボールをよく見て4ボールに。
あと1球で終了というプレッシャーがこちらにもビンビン伝わってくるのに、
なんという冷静さ……。
2アウトのままで、ここまで安打を連発している2番高橋は2ストライクになってもなお
ファールで食いつき続け、そのたびに沸き上がる歓声。
5回のファールの末、ついに右中間に伸びるヒットが出て、切手がバックホーム、5-10に。
9回のしかも5点差のしかも2アウトという、もはや降りかけた幕という状況は続いているのに、
まるでそれを気にしていない、感じさせないかのようにふるまう日本文理高の選手たち。
3番武石も3回のファールを粘った末に右に伸びるヒットを出し、得点は6-10に。
まさかあり得ないだろうという目で見ていた逆転劇の妄想に、少しだけ色が付きました。

『もうここまで来たら簡単には終われない!』
迎えた4番吉田はファール1回後デッドボールで出塁し、まさかの満塁。
万が一ここでホームランを出したら、同点……。
ちょっと前まであり得ないと思っていた夢物語も現実になり得るというまさかの展開。
6番でピッチャーの伊藤選手がバッターボックスに立つや否や、
球場全体から鳴り響いてくる伊藤コール。
「球場全体が異様な雰囲気に包まれております!」
と、信じられない展開に驚きを隠さない実況。
ノーストライク2ボールの局面、3球目。
歓声に応えるかのようにボールは左中間へ飛び、走ったランナーは2人バックホーム。
8-10。
まさか、こんな展開が……。

7番平野も初球から同じところへ飛ばしてさらに1点を追加、9-10。
あまりにも信じられなくて、視界が妙に明るく感じられた次の局面。
打者は一巡して8番の若林。1ボールの後、思いきり左へ打ち返された2球目は――

*  *  *

思えば帰省最終日のあの時、まさか新潟勢がここまでくるなんて思いもしませんでした。
結局準優勝に終わったけれど、こんなに凄い試合をしてくれると
なんだか勝ち負けを通り越してスッキリした気持ちになります。
9回表2ストライクの局面から5得点という奇跡は、
ある意味では優勝に値するような感動を教えてくれました。
あれだけ追い詰められて、あれだけの成果を出せるって凄いよ本当に。
見習うべきものがありますよね。自分なんて到底無理だろうけど。

それにしてもWBC以来といえば野球では今年2度目だけど、
甲子園でここまで熱狂したのは多分間違いなく始めてです。
今年準優勝まで行ったから来年も行けるだろうというわけにもいかないでしょうが、
来年以降の甲子園はちょっと期待のまなざしを込めて見たいと思います。

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