#3860

旅の途中


web制作 独り言


昨日があるから、今日もなんとかやっていこうと思えるのだと思う。
今日からいきなりまっさらだったら誰だってきっと立ち尽くしてしまう。
だから最初の一歩を踏み出すのは勇気が要る。
2004年当時の自分は、そんなこと知る由もなかっただろう。
何も分からないままいつの間にか始められた事は、もしかすると幸運だったのかもしれない。

最初の一歩の向く先は、どこまでも終わらない物語だった。
初速が失われて自信が無くなってくると、それは出口のない迷宮のようにも見えた。
迷って迷って行き着く先には何があるのだろうと思った。
いつまでも終わりが見えないと、周りが明るいのか暗いのかも分からなくなって不安になる。
たった一人で、とんでもないところに来てしまったような気がした。
そうだ、今からならまだ間に合うかも知れない。そう思って振り返る。
足跡は数え切れなかった。もう戻ることはできない。前を向いて歩くしかない。
ただ、これまでのあらすじに沿って、もう一歩を踏み出してみることは比較的容易に思えた。
地図のない世界。孤独な世界。想像力が無ければ、色が付くこともなかった。

けれど、僕は心のどこかで、この世界を歩いて行くことを嬉しく思っているのかもしれない。
遙か向こうまで続く足跡の、その先端に立っていることが誇らしいのかもしれない。

十年という区切り目の直前まで来た。
そこには水平線が引いてあるだけで、
次の一歩を踏み出すことそのものはいつもとなんら変わらない。
それは他人から見ればいつも通りの小さな一歩なのかもしれないけれど、
僕にとってはまた少し、勇気の要る一歩だ。

悩み、憤り、恨み、悲しみ、苦しみ……
十年間で書き残してきたもののうち、力を抜いて書いたものはそんな感情ばかりだった。
楽しかったこと、面白かったこと、好きなことを書き残すのには力が要るということを学んだ。
毎日続けることそのものが苦しかった時代もあった。
そんな諸々の時代をすり抜けて、3,652日分のバトンは今、奇跡的に手元にある。

さて、次の十年は一体どんな世界なんだろうか?
身体の中にうごめくさまざまな期待を押さえつけながら、水平線に向かって足を上げてみる。

コメントを残す