#4231

曖昧な音の集合


音楽

エレクトロニカというジャンルに興味を持ち始めて今年で六年になるわけですが、
未だに「エレクトロニカとはなんぞや?」という質問には答えられないし、
そういう曖昧なところがエレクトロニカの良さだと自分は思っています。
そもそもエレクトロニカって定義できるものなんでしょうか。

よく「踊ることを目的としない電子音楽」と説明されることがあるけれど、
そもそも、いわゆるフォークトロニカのような生楽器メインのエレクトロニカも多いし、
エレクトロニカだって踊れるライブは存在するわけで。
自分なんかはエレクトロニカを知ってまもない2009年当時、
PILOTのフリクションのCM「消したいもの篇」

を初めてみたとき「これこそがエレクトロニカだ!」とBGMにやたら感激しましたが、
その音楽性は今現在の自分がエレクトロニカの代表格だと思っているAutechreなどと比べると
随分毛色が違ってくるし、
人によってはそのどちらかをエレクトロニカと見なさないと言う人もいるかもしれません。
そんな風に曖昧なジャンルだからこそなのか、自分は一時期その再分類を好き勝手に定義して、
自己満足な基準でアーティストを振り分けては聞き比べていました。
が、それから二年ほど経った今改めてその定義分けをじっくり眺めてみると、
今の自分の感覚からは大分ズレてしまっていることが多いし、
何よりも2014年以降に出会ったアーティストのアルバムがどれにも当てはまらないことが多く、
いかに2013年以前の自分が自己満足だけで定義しようとしていたかを思い知らされました。

当時作った再分類の定義によれば、まずおおまかにドリルンベースのような動的な音楽と、
アンビエントに近い静的な音楽と、そのどちらでもない音楽に分け、
動的なエレクトロニカは「ポストロック」「IDM」「ドリルンベース」「ポストダブステップ」、
中間のエレクトロニカは「(インディー)ポップ」「フォークトロニカ」
「ドローン系」「クリック・グリッチ系」、
静的なエレクトロニカは「アンビエントテクノ」「アンビエント・ミュージック」
「ミニマルアンビエント&ノイズミュージック」にさらに分けていたみたいです。
しかし実際にはこういう音が入っているからこの音楽はこれ、
という風に厳密に決めていたわけではなく、ほとんどが感性の赴くままに分類されています。
通常はアンビエントはエレクトロニカに含まれないので、
その時点で多分、世間一般でいうところの定義付けからはズレているでしょうね。

これら再分類に、例えば2014年に知ったOneohtrix Point Never『R Plus Seven』(2013)
を当てはめようとすると、なんだかどれでもないような気がしてくるし、
参考のためにDiscogsで検索してみると分類名には
「ミュージック・コンクレート、アンビエント、IDM、ドローン、グリッチ」
と書いてあります。もう何が何やら。

別に定義付けしなければ音楽が聴けないわけでもないし、
むしろ無理に定義付けすると不必要な先入観が音楽鑑賞の邪魔になる可能性もあるので
その辺はまぁあまり深く考えずに「自分がエレクトロニカだと思ったらエレクトロニカ!」
で良いのだと自分には言い聞かせていますが、
いざ他人にエレクトロニカとはなんぞや、と言われたときに答えられないのは少し悔しいかも。
自分なりの答えを追い求めつつも、これからもこの界隈の音楽を聴き続けたいものです。

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