#4562

伝わらない現実と非現実


備忘録 文化


いよいよ迎えた参議院選挙投票日。
今回こそはちゃんと納得した上で投票所に行こう、と決めていたのに
なんだかんだで平日はそれに時間を費やすことも無く、土曜日もあやふやなうちに過ごし、
当日少しだけ思い悩んだ末に投票所に走ってきました。
結局今回も正解を書いたという実感は皆無ですが、
果たして自分が本当に納得して投票所に向かうことのできる日は来るのか甚だ疑問です。
50代、60代といった達観しているであろう世代の人たちはこのシステムをどう考えているんだろう。
どうも年配の人と政治の話をすることがない (し、同世代ともそんな機会はない) ので
自分以外が選挙のことをどう思っているのかは皆目分からず、
どうも暗中模索の中で名前を書いているような感じは否めないんですよね。
そんな中でネットで政治について語る人やきれい事を語る人たちの声ばかりは大きいので、
油断するとそういう人たちの思想に誘導されそうになるし、
選挙初参加頃の自分は多分誘導されるがままに投票していたんだろうなぁとは思います。

「流されない」ことが納得した上で投票するための必須条件だとしたら、
それは目下の社会問題に対して自分なりの明確な答えを持つことであるわけで、
そんな軸になるものが自分の中に確立するまではまだまだ時間がかかりそうな気がします。
20代のうちは多分無理で、アラサー越えても果たしてできるのかどうか……。
それでは遅すぎるとなったら、じゃあショートカットするのに必要な手立てはなんだろうとか。
投票が終わってからもいろいろ悩みは尽きないですが、
一番悩ましいところは、こういう悩みも次の選挙までには忘れてしまうところなんですけどね。
それだと永遠に進歩しないので次回こそはもう少しなんとかしたいところです。

投票所に行くついでに最近割と頻繁に行っている気がする本屋で適当に漫画を数冊買い、
それとは別に積んでいた『』(2011-2015年、新川直司、講談社)
を深夜にかけて全巻読んでいました。
天才ピアニストと呼ばれるも親の死をきっかけにピアノから離れ空白の日を過ごす少年と、
その少年の友人が好きだという天真爛漫なバイオリニスト少女のお話。
なんというか思春期真っ直中な自分ならとてつもなく感動していたのでしょうが、
夢を見なくなってしまった今となっては自分でも意外なくらい冷静に読み続けてしまっていて、
おかげで読後感は何とも言えない感触でした。
他人を突き動かすために自分のすべてを投げ捨てるヒロインの実直な姿と、
それに薄々気付いても返す言葉を探しきれない主人公の切なさ。
しかしその主人公が一旦は離れていたピアノにもう一度向き合って奏でる音は、
あっさりと言葉の壁を乗り越えて感情を伝えてしまうという。

漫画という媒体ではどう頑張っても音は出せないので
創造力で補完しなければならない割合は多いのですが、
その想像しきれない部分に何とも言えないロマンがあって、
ずっと自分には無い遠い光を見ていたような気のする数時間の読書体験でした。
たまにはこういう恋愛モノも悪くないのかも?

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