#4975

世界を振り続けた記憶


ゲームのプレイ日記 備忘録

これまでに書き逃してきたさまざまなモノを新旧問わず語る企画『』、
第4回は1998~1999年に発売された万歩計型小型ゲーム機、
『あるくんです』『あるくんです2 そして、しあわせに…』です。

1990年代に少年少女時代を生きた人なら誰もが知っているであろう1997年の『たまごっち』ブーム。
同年くらいからじわじわとクラスがポケモンに染まっていくなか、
自分も親に初代機を買ってもらって必死にお世話していたことを覚えています。
たまごっちブームが当時の女子の間ではどんなものだったのか正確には覚えていませんが、
男子の間ではまもなく『デジタルモンスター』ことデジモンがそれに取って代わっていました。
システムはたまごっちと同等ながら、キャラデザがまるっきり男子向けになったデジモンは、
本体同士を向かい合わせに接続することで対戦ができるというシステムがあります。
自分は当時鍵っ子だったため「児童館」と呼ばれる学童保育施設によく遊びに行っていたのですが、
そこで全然面識のない男子と「勝負しようぜ!!」と話しかけられたものです。
余談ですが(前にも書いたかもしれませんが)、同年代の従姉も初代デジモンを持っていて、
夏帰省のときに対戦したら負けた直後に自分のデジモンがお亡くなりになったのは良い思い出。

そんなデジモンブームはポケモンを圧倒する勢いで広がりました。
自分はどちらかというとポケモン派だったので第二世代以降を買うことはなかったのですが、
そんな中、翌年に発売されたのが『てくてくエンジェル』そして『ポケットピカチュウ』という、
万歩計機能付きの新型機でした。
特にポケピカは母親が職場に持っていって歩数を溜めて帰り、
自分たち兄弟でスロットを回してお金(?)を稼ぐといったように家族ぐるみで楽しんでいた記憶が。
『あるくんです』も、それら万歩計機能付きモデルと同時期に発売されたもので、
ドラゴンクエストシリーズに登場する「スライム」をモチーフにした作品です。

『あるくんです』は液晶画面の背景にマップが描かれており、
マップコマンドを押すとドットで現在位置が分かるようになっています。
現実でプレイヤーが歩くとスライムは指定された方向に歩き、
さながら一緒に探検しているかのような体験ができるというもの。
1ドットを移動するために必要な歩数は条件によってさまざまですが
概ね2,000歩ほどあるため、マップを一周するためには相当な歩数が必要になってきます。
マップには平地、草原、砂漠、海、洞窟といったさまざまなバイオームがあり、
それぞれのバイオームで食事を摂るとその場所でしか食べられないものが食べられたりします。
そのように「特産品」を食べたり、その土地を歩き回っていくことによって
土地ごとの「なじみ度」が上がっていきます。
このなじみ度が最大まで溜まると、スライムはその土地に特化した種に変化します。
例えば草原であれば「ホイミスライム」、海であれば「マリンスライム」という風に。
土地に特化したスライムはその土地を歩くのが速くなるといった利点がある一方、
苦手な土地では歩くのが遅くなったりします(=1ドットに必要な歩数が増えるということ)。
そういった各スライムの特性を掴みながら、マップ内全域を冒険するのがこのゲームの目的です。
ちなみに敵と遭遇することもあり、
勝つと貰えるアイテムの中には全世界のどこかにランダム転移するという
ウイザードリィのトラップかというような危険アイテムもあります。

1999年に登場した『あるくんです2』は基本的にはスライムの数を増やしたグレードアップ版。
こちらは全土地共通のパラメータとして「しあわせ度」が追加され、
これを最大値まで溜めるのは至難の業ですが、
99まで溜めると顔しかない外観の「あるくんですスライム」という究極の姿に変化します。
ゲーム機本体がスライムの形状になっているので、
ゲーム機全体で「あるくんですスライム」を表現しているということなのでしょうが……
今思うとすごいアイデアですね。スマホ時代の今は絶対できないだろうなぁ。

そんな万歩計型ゲームですが、
当時の子どもたちの御多分に洩れず自分たちも律儀に歩くということはしていませんでした。
万歩計のカウンターは機器内部の振り子のようなものがスイッチを叩くことでカウントされるので、
つまり手で振った方が早くカウントされるわけです。
当時、我が家に『あるくんです』は4台以上あり身内間で競うように育てていましたが、
もうとにかくひたすら振りまくっていました。今思うとすごい光景ですね。

あるくんですシリーズは我が家では1998年から1999年くらいまで流行り、
最終的に「りゅうおう」(総歩数50万歩?)以外のほとんどすべてのスライムを見たはず。
スライムなのにりゅうおうに変化するというのも謎ですが、
他にも全地形制覇で「あそびにん」、
ストレス最大を一定期間放置で「ばくだんいわ」などスライム以外のモンスターもいくつかいて、
スライム大好きだった当時の自分は何かとそれらを避けていた記憶があります。
この辺は記憶がかなり曖昧なのですが、
確か変化したことのあるスライムに戻る手段というのがあって、
ガチで周回するときは変化してもすぐに海の歩行が物凄く早い「マリンスライム」に戻して、
海岸線に沿って冒険していたような記憶があります。

1999年くらいからは本格的に他のゲームやらカードゲームが面白くなってきてしまったので
万歩計ブームはそれほど長続きしませんでしたが、
自分はこれがきっかけでスライムというキャラクターが好きになり、
これがのちの『ドラゴンクエストモンスターズ』にも繋がっていったと思うと、
今思えば大きな分岐点でしたね。
クラスのブームに飲まれてデジモンに染まっていたら今頃どうなっていたんだろう。

ちなみに『あるくんです』自体の知名度は低く、
周りでやっている人はほぼいなかった記憶があります。
マイナー故か今改めて検索してみても詳しい情報はほとんど出てこないという。
そういうものこそを覚えているうちに少しでも書き残していきたいものです。

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