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十年前の秘密基地


利用者離れが深刻化している動画サイト『ニコニコ動画』が、
本当は今秋にスタートするはずだったメジャーアップデート『ニコニコ動画(く)』の発表会を開き、
その散々な内容にネット全体でものすごい非難が噴出しているようです。

発表内容の要約や批判内容等をざっと眺めていて自分が思ったのは
まずニコニコ動画は「奇をてらったことをする」のを信条としているところあるということ。
それはユーザーの動画視聴体験を向上させようということとは微妙にベクトルが異なっていて、
今回の発表も目玉機能として紹介されているのは
全視聴者強制参加のflashゲーム(ニコ割)でランキングを発表したり、
生放送中の画面を分割して視聴者が自由に画面位置を変えられるといった機能がありましたが、
これらもそもそも配信者が提供しようとしているコンテンツの質を損なうものです。
誤解を恐れずに言ってしまえば、
クリエイター精神がなく面白いコンテンツを作ることができないが、
しかし不特定多数にかまってほしい最底辺の配信者にとっては格好のネタにはなると思います。
そういう人にとっては視聴者と配信者を(無理矢理)繋げるよいツールなのではないかと。
いわゆるかまってちゃん向けのツールだと思うんですよね。

もちろん他にもサービスはあり、配信媒体を携帯・PCで瞬時に切り替えられるようにする機能や、
配信の一時離脱(AFK)に対応した機能など利便性が向上するであろう機能もあるのですが、
ネットでは前者の方が取り沙汰され、これらのことはほとんど取り上げられていませんでした。
この辺はネットの怖いところだなとつくづく思います。
自分のTLが全員同じ話題についてつぶやくことがあるのは
ポケモン完全新作と、E3のような大型発表会と、あとは年末年始番組や宮崎アニメくらいですが、
そのTLが今日だけは本当に誰も彼もが批判や失望の声を上げていて
かつてのニコニコ動画の影響力の大きさを改めて実感しました。

批判している人たちの意見を見ると、
「何故サーバー強度や画質といった動画サイトの基本をおざなりにして
求めてもいないお遊び機能を追加するのか」
という主張が多くを占めていましたが、思うに彼らはかつてニコニコ動画にはハマったけれど、
今は当時ほどは利用していない、いわば古参ユーザーだと思うんですよね。
全盛期と言ってしまうと語弊があるかもしれませんが、
2007~2009年頃の、ニコ割や広告など余計なサービスがなかった頃のユーザー。
自分もその一人ですが、思い出の中にニコ動がある人にとっては、
当時は当時のままであって欲しいと思っているんじゃないかと思うんですよね。
画質やサーバー強度強度向上というのは建前で、
「変えないでほしい」というのが本音なのではないか、と。
それと運営側の「このままじゃダメだから変えないと」という思いがすれ違ってしまったのが
今回こういう結果を生み出してしまったんじゃないかなぁと。

なので、結局文句を言っているのは大して利用するつもりもないであろうユーザーなので、
この批判を運営が真に受ける必要もないと思うんですよね。
これをさらに真に受けてしまうとさらに混沌としてしまいそう……。

ちなみに自分自身もニコニコ動画でコンテンツ作りをするつもりは今後ありません。
少なくともクリエイターサイドとしては、
どんな動画をアップロードしても確実にYouTubeの方が多くの人に見てもらえるからです。
というかそもそも偉そうな講釈を垂れるほどクリエイター精神もないわけで。
今年春『けものフレンズ』を観る際にやむを得ずプレミアム登録しましたが、
そういった「ニコニコ動画でしか楽しめないコンテンツ」がない限りは使わないかなぁと。
プレミアム解約祭りに乗じて自分も契約状況を確認してきたら何故かプレミアム会員だったので、
良い機会なので契約を解除してきました。