#5178

氷上の一投


文化


今日で無事に2018年冬季平昌オリンピックが閉幕とのことで。
始まる前は雪が足りないとか設営ボランティアが逃げ出したとか散々な言われようでしたが、
男子フィギュアスケートと女子カーリングが予想をはるかに越えて注目されたおかげで
最初の悪いイメージは見事に払拭されましたね。
オリンピックは気付いたときには終わっていることの多い自分も
今回カーリングだけは見ておこうと思っていたのですが、
しかしまさかここまで注目されるとは思っていませんでした。
時差が少ないおかげで生中継放送がゴールデンタイムに被ったことも大きいのでしょうが、
放送局の計らいで作戦会議のマイクが全部全国放送で垂れ流しになっていたのも大きいんでしょうね。
女子チームの「もぐもぐタイム」「そだねー」が流行語のような扱いになっているという。
まぁ方言女子は例外なくかわいいですからね、仕方ない。

日本勢初のメダル獲得を賭けてイギリスと戦った第10エンド、
日本チームが1点リードの状態で石は中心から少し外れたところに固まっていました。
カーリングでは各エンドのストーンを投げきった時点で、
円の内側(ハウス)に入っているうち最も中心点に近いストーン持つチームが、
「相手のどのストーンよりも中心に近いストーンの数」だけ得点を得るようになっています。
基本的には最後にストーンを投げる後攻が圧倒的有利とされており、
それは最後に中心点へ投げさえすればあとに邪魔されることはなく確実に1点を取れるからです。
その代わり、得点を取ると次のエンドでは先行となります。
つまり、得点を取れなかった方が次に得点を得るチャンスを得るわけです。
今回の最終局面、イギリスは1点のリードを許していたものの後攻でもありました。
石の並びとしては、両チームとも中心にはほど近いものの中心点はガラ空きでした。
ここを狙っていけば無難に延長戦に持ち越すこともできたはずなのですが、
イギリスはここで密集している両チームのストーンを弾いて
日本のストーンだけを遠ざけ、一気に2点以上を得るスーパーショットを狙いにいきました。
が、それは狙ったところを若干逸れ、弾かれた日本のストーンはむしろ中心点へ。

この局面、素人目にはイギリスが凡ミスして終わったように見えるのですが、
解説を改めて聞いて、無難に延長戦に持ち越すのではなく潔く「勝つか負けるか」という
文字通りの勝負をしかけてきたイギリスのスポーツ精神に鳥肌が立ちました。
いやー、予想を遙かに超えて面白かったですね、カーリング。
石の並びによってどんなショットが有効かということを観ている側も一緒に考えられるし、
作戦会議がこちらにも生々しく聞こえてくるため謎の一体感があり、
そのおかげで楽しみも悔しさも共有しやすく、それが今回の話題性に繋がったのではないでしょうか。
設備を揃えるのも決して簡単ではない上に
全国数千人しかいないマイナー競技でメダルを取るということは想像を絶する苦難があったはずで、
それを思えば今回の銅メダルの重みというものは相当のものなのではないでしょうか。
今回注目されたことが競技界隈にとっての良い追い風になってくれればいいのですが。
2022年冬季オリンピックもカーリングには期待したいところです。

その前に次はいよいよ東京オリンピックがあるわけですが。本当に二年後なんだろうか?
さっぱり実感がないけど……。

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