#5225

狂気の電子音


電子音楽の異端的なジャンルであるエレクトロニカの重鎮として長く在り続ける「Autechre」。
自分がこのアーティストと出会ったのは
どのような音楽なのかもわからずにエレクトロニカとされているアーティストのアルバムを
片っ端から買っていたときに出会ったEP、『Peel Sessions 2』(1999年)が最初でした。
そのときは数あるエレクトロニカのひとつという認識でしたが、
2010年にiTunes Storeで『LP5』というマジキチアルバムと出会ったのが、
この種の前衛音楽にハマる本当のきっかけでした。
現在までにスタジオアルバム12枚とシングル17枚、ライブ盤1枚がリリースされており、
さらにシングル17枚のうち13枚目まではすべてまとめられたベスト盤が2011年に出ています。
このうち自分が持っていないのはベスト盤未収録の古いシングル曲を除けば、
1stアルバム『Incunabula』と14thシングル『Quaristice.Quadrange.ep.ae』のみ。

そんなAutechreが現在海の向こうのラジオで数年ぶりのパーソナリティを行っており、
その8時間におよぶ収録内容が『NTS Sessions 1-4』という名前でCD化され、
専用ストアでひそかに販売されています。
ラジオのまとめではなくて普通に13thアルバムを出してくれないかなー、と思っていたら、
どうやらこれがなんと全曲新曲の実質的なニューアルバムということらしく。

11thの『Exai』がまさかの2枚組2時間で驚かされ、
そしてCD化すらされなかった12th『elseq 1-5』は合計再生時間なんと4時間07分。
ここでもう「これは本当にアルバムなのか?」という違和感さえあったというのに、
今回はアルバム名になんの捻りもなくラジオ局名をそのまま借りた適当なものなのに、
その中身は8時間すべて新曲という。もう意味不明です。
ちなみに現時点でラジオはまだ終わっていない(一週間ごとに分けて行っている)ため、
収録曲はまだ半分しか明らかになっていませんが、
04月27日の最終セッションから三ヶ月後には8枚組のCDがリリースされることになっています。
値段にして50ドル≒5,384円。
大御所〈Warp Records〉からのリリースということなので、
日本にもおそらく〈Beat Records〉経由で流通するのではないかと思います。
もしかするとその際の正式なCDプレスでアルバム名も変わるかもしれませんね。

前作が上記14thシングル以来のデジタル版のみの販売だったため、
CDのプレスは実に2013年以来ということに。
ちなみにCDのプレスを待ちきれない人には
24bit WAVのダウンロード版は最終セッション直後に解禁するそうです。

さらに、このラジオで来日が発表されたそうです。06月13日、東京恵比寿にて。
土曜日、最悪でも金曜日の夜とかだったらアリかなーとは思ったのですが、
まさかの水曜日ということで、週のど真ん中に有休二日消費するのはさすがに厳しいので断念。
仮に有休をゴリ押すとしてもE3 2018と丸被りなのでやっぱりキツそう。
それにしても、1990年代に一時代を築いたジャンルのトップアーティストが、
こうして今もなおアルバムをリリースし続けてくれるのは本当に凄いしありがたいことです。
ただ個人的には前作はあまりにも量が多すぎて率直に楽しめなかったところもあり、
今回はその前作のさらに倍ということを考えると
少なくとも一度に一気に聴くというのは服用方法としては危険そうな予感がします。

ともあれ、自分にとってはエレクトロニカの代名詞のような存在であるAutechre。
新曲を聴く日が来たら、初めて『fold4, wrap5』を聴いたときのような、
あの気持ち悪くて異次元に迷い込んでしまうような感覚に陥ることをひそかに期待しています。

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