#5312

何もしない人の話


独り言

何もしない、ということはできない。
どんなにあらゆることに対するやる気がなくなったとしても、必ず何かを選択している。
横になるという選択。モニタの前で無意味な情報群を読むという選択。
限りなくできることがすくなくなるほどに意欲が失われてしまったとしても、必ず選択はしている。
他の意欲が失われてしまったからこそ目が行くものもある。
裏を返せば、どんなに状況が狭まったとしても選ばざるを得ないものはある。
それを受け入れてさえしまえば、「意欲がなくなったからすることがない」
などということに、頭を抱える必要はなくなるのかもしれない。
思い返してみれば、そうやって受け入れてきたもので、ぼくの人生は出来上がっているように思う。

何かをしなくなったのなら、別の何かをする余地が生まれたということに他ならない。
ぼくはこの無気力化で今まで年月をかけて培ってきたものと向き合う気力が完全に失われ、
それと同等の代替になるものもないからと絶望していたけれど、
それは失ったものを基準にして考えているからこその失意なのだとふと気が付いた。

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