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お気に入りカード十選 MTG編・2018夏


文化

マジック:ザ・ギャザリングにて、三年ぶりの基本セットである『基本セット2019』が本日発売!
これがいかに魅力的なカードセットであるかというのは少し前のエントリーですでに書いたので、
今日はこれを記念(?)して、これまでM:TG Wikiを徘徊して自分が見つけた、
とても魅力的なカードについて備忘録がてら書いていきたいと思います。

なお検索対象は再録禁止カードではないカードに限ります。
なおかつ『イニストラードを覆う影』から『基本セット2019』までのカードセット収録分については
ネタバレを避けるため見ていません(最後の1枚を除く)。
また、オラクル(カードの詳細データ)は執筆時点に閲覧した
公式カードデータベース『Gatherer』に基づいて読みやすいように自分が整形したものになります。

*  *  *

始源のハイドラ/Primordial Hydra

マナ・コスト:(X) (緑) (緑)
カードタイプ:クリーチャー(ハイドラ)

始源のハイドラは、+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
あなたのアップキープの開始時に、
始源のハイドラの上に置かれている+1/+1カウンターの数を2倍にする。
始源のハイドラは、それの上に10個以上の+1/+1カウンターが置かれているかぎり
トランプルを持つ。

0 / 0
(初出:基本セット2012 – 2011年07月)

自分がマジックを集めるきっかけになったiPad専用ゲーム
『デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ』で初めて遭遇した巨大クリーチャーの一種。
ハイドラは緑を象徴するクリーチャーとして実にさまざまな亜種が存在していますが、
その中でもこれは「支払ったマナに応じて高パワーを持つ」「ターンごとにパワーが2倍になる」
というインパクトの強い効果を持ったカード。
ゲーム内では中盤にX=2で戦場に出したのですが、
対戦相手がしどろもどろしているうちにいつの間にかパワーが16にもなっており、
特大の直接攻撃でフィニッシュを決めたときはなかなか爽快でした。
M15新枠で再録してくれないかなーと首を長くして待っているのですが、なかなか来ないですね。

解放の樹/Tree of Redemption

マナ・コスト:(3) (緑)
カードタイプ:クリーチャー(植物)

防衛
(T):あなたのライフ総量と解放の樹のタフネスを交換する。

0 / 13
(初出:イニストラード – 2011年09月)

タフネス13という驚異的な防衛力を持つクリーチャー。
それだけでなく、なんとタップするごとに自分自身のライフ総量とそのタフネスを交換できる。
MTGにおける初期ライフは20点なので、無傷で交換すればタフネス20という圧倒的な防壁が完成。
ライフが13点以下になればライフ回復手段に。
参照値は「元々のタフネス」ではないので、
何らかのタフネスアップ手段を用意すれば大幅なライフゲインも夢ではありません。
MTGではこのように戦況に応じて使い方が大きく変わってくるカードが少なくなく、
《解放の樹》はそれを分かりやすく表している面白いカードの代表例だと思います。

大祖始/Progenitus

マナ・コスト:(白) (白) (青) (青) (黒) (黒) (赤) (赤) (緑) (緑)
カードタイプ:伝説のクリーチャー(ハイドラ・アバター)

プロテクション(すべて)

大祖始がいずれかの領域からいずれかの墓地に置かれる場合、
代わりに大祖始を公開し、オーナーのライブラリーに加えて切り直す。
10 / 10

(初出:コンフラックス – 2009年02月)

コストが大きい方が強いのは当たり前の話ですが、
それに加えてMTGでは「色拘束が強い方がカードの性能も強い」と言われています。
MTGの世界では2つくらいの色を混ぜてデッキを構築することが多いのですが、
例えば(2) (青)の場合は1枚《島》さえ来ればあとの2枚は他の土地でも良いのに対して、
(1) (青) (青)になると2枚《島》が来ない限りは、土地が3枚揃っても使えないことになります。
乱暴に言ってしまえば色シンボルが多いカードほど同じコストのカードより強いというわけです。
では、シンボルが10個もあるこのカードはいったいどんなむちゃくちゃな強さなのか。
「プロテクション(何か)」は基本的に(何か)にいずれかの色が入り、
その対象の色によってブロックされず、ダメージを与えられず、対象にならず、装備等もできない、
という意味を表すのですが、《大祖始》は(すべて)とあるので、
色があろうがなかろうが、パーマネントだろうがプレイヤーだろうが、
とにかく一切合切のオブジェクトの効果の対象にならないというむちゃくちゃな効果です。
ただし「対象にならない」という効果のよくある抜け道として、
対象をとらない効果をも無視できるわけではありません。
なので、これを出されたら《神の怒り》など全体除去での対処を目指すことになるわけですが、
遊戯王OCGと違ってMTGでは全体除去の手段が極端に少なく、やはり対処は容易ではありません。
MTGではこんな風に「出したら勝ち(だけど小さな抜け穴がなくもない)」
というようなカードをわりと見かけるのですが、こういったパワーカードがよりどりみどりの環境で
本当にゲームが成立しているのか不思議で仕方ありません。

機知の戦い/Battle of Wits

マナ・コスト:(3) (青) (青)
カードタイプ:エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたのライブラリーに200枚以上のカードがある場合、
あなたはこのゲームに勝利する。

(初出:第9版 – 2005年07月)

ほら、こんなカードが制限カードでもなんでもなく存在するんだから恐ろしいですよね。
MTGではあらかじめ各自デッキを準備する「構築戦」のデッキ枚数は60枚以上と決まっています。
60枚以上なので、60枚を超えていれば何枚でも許されるわけですが、
ふつうはデッキを規定の最小限以外の枚数にする人はほとんどいません。
デッキ枚数を増やせば、来てほしいカードをドローする確率がそれだけ減っていくからです。
デッキを213枚以上にして、最初のドロー7枚に加えてその後5ターンに引くカードのうちに
5枚の土地カードと《機知の戦い》がたまたまあればそれだけで勝ててしまいますが、
ことはそれほど単純ではありません。
まず同じカードを4枚しか入れられない制限の壁があるので、
単純計算でキーカードを4/200の確率でしか引けない状況をどうやってフォローしていくか。
そして、《機知の戦い》を出すまでに無防備ではそれだけで負けてしまうので、
いかにしてターンを稼ぐ防衛線を敷いていくか、
そしてその上でデッキを何枚にするかが問題となってきます。
こう考えると、むしろ現実味がないような……
いやでもこれだけいろいろなカードがあれば実はなんとかできるんじゃないか!?
などとつい思って隠れたコンボカードを探しに行きたくなるロマン溢れるカード。

時間ふるい/Timesifter

マナ・コスト:(5)
カードタイプ:アーティファクト
各プレイヤーのアップキープの開始時に、
各プレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードをゲームから取り除く。
それらの内、点数でみたマナ・コストが最も高いカードを取り除いたプレイヤーは、
このターンの後に追加のターンを得る。
点数でみたマナ・コストが最も高いプレイヤーが複数いる場合、
それらのプレイヤーだけでこの手順を繰り返し、1人のプレイヤーを決める。

(初出:ミラディン – 2003年10月)

「まず先攻がターンを回して、終わったら後攻の番、そしてその次はまた先攻」
という対戦カードゲームの常識を、場に存在するだけで覆してしまうトンデモカードの一種。
ライブラリートップ(デッキの一番上)が毎回相手より弱いカードだったら
永遠に自分の番は回ってこないし、
逆に強いカードを追放し続ければ次もその次も自分のターンという、
対戦しているうちの誰か一人はたいてい悪夢を見ることになるカードです。
ちなみにMTGでは「追加の1ターンを得る」というカードはそれほど珍しいわけでもなく、
それどころか《約束された終末、エムラクール》というパワーカードに至っては
「対戦相手1人を対象とし、そのプレイヤーの次のターンにそのプレイヤーのコントロールを得る」
という意味不明な効果もあり、必ずしも《時間ふるい》だけがぶっ壊れているわけでもないようです。

虚空の選別者/Void Winnower

マナ・コスト:(9)
カードタイプ:クリーチャー(エルドラージ)
あなたの対戦相手は点数で見たマナ・コストが偶数の呪文を唱えられない。(0は偶数である。)
あなたの対戦相手は点数で見たマナ・コストが偶数のクリーチャーではブロックできない。

11 / 9
(初出:戦乱のゼンディカー – 2015年10月)

偶数大嫌いなエルドラージ。マナ・コストも、パワーもタフネスもみんな奇数。
この能力によって自分がアドバンテージを得られるかどうかは完全に相手次第になるため、
この能力にあらかじめ期待することはできません。そういう意味では使いどころは難しいです。
しかし、出せば盛り上がることは必至。
たまたま相手が偶数のカードを多くコントロールしているときに出せればしめたもの。
終盤に10マナ集めて《大祖始》を出そうとしたら先にこれを出されて大逆転、なんてことも……?
そんな風に、ゲームを盛り上げるための1枚なのかなと思っています。
「戦乱のゼンディカー」は1ボックス買って全部剥いたのですが、残念ながら当たりませんでした。

彩色の灯籠/Chromatic Lantern

マナ・コスト:(3)
カードタイプ:アーティファクト
あなたがコントロールする土地は
「(T):あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ。

(T):あなたのマナ・プールに、好きな色1色のマナ1点を加える。

(初出:ラヴニカへの回帰 – 2012年10月)

もし構築戦をするなら組んでみたい「5色デッキ」。
ふつうはどれか1~3色程度の色を選んでデッキを組むことになるMTGですが、
5色すべてをコストとして要求する型破りなカードも存在します。
上で紹介した《大祖始》もそのうちの1枚。
その他にも個人的に好きなカードに《概念の群れ》というクリーチャーがいますが、これも5色です。
5色の土地を入れたとしても都合良くそれを各1枚引いてくるなどということは期待できません。
そんなときに「色」という概念を崩壊させてしまうこのカードが役に立ちます。
例えば持っているのが《森》だろうが《平地》だろうが(赤)を生み出せるようになるので、
多色カードが扱いやすくなるのは間違いありません。
(ちなみに、~を持つという効果はあくまでひとつ選べる起動効果の選択肢を追加するものなので、
《森》が1タップで(緑)に加えて好きなマナを生み出せるわけではないことには要注意。)
こういったマナ絡みのアーティファクトはシンプルで分かりやすく、
イラストも綺麗なものであることが多いので好きですね。その最高峰はもちろん……

アーティファクトの魂込め/Ensoul Artifact

マナ・コスト:(1) (青)
カードタイプ:エンチャント(オーラ)

エンチャント(アーティファクト)
エンチャントされているアーティファクトは、
他のタイプに加えて基本のパワーとタフネスが5/5のクリーチャーである。

(初出:基本セット2015 – 2014年07月)

最初に出会ったときはネット上の情報ではなく紙のカードでしたが、効果を二度見しました。
なにこれ、面白い。面白いしシュールで好き。
「オーラ」はいわば装備カードに当たるもので、一行目に装備対象となる種類が指定されています。
この場合は装備対象はアーティファクト。しかもそれがクリーチャーになるという。
上で紹介した《時間ふるい》がクリーチャーとなって対戦相手に襲いかかるわけです。
なんだかもう絵面が想像できませんが、つまりそういうことなんです。
アーティファクトをクリーチャーにしてしまうエンチャント。
しかも5/5というのは侮れません。低コストでもあるため序盤に出てくるとかなり厄介。
すでにクリーチャーのアーティファクトにも付けることができるため、
コスト(0)の代わりに0/2の《羽ばたき飛行機械》に付けてパワーアップ、といった使い方も。
亜種に《ニクスの星原》というエンチャントをクリーチャーにするエンチャントが存在するほか、
《生命と枝》に至っては土地カードである《森》を苗木クリーチャー・トークンにすると同時に、
苗木クリーチャー・トークンを《森》にもしてしまいます(土地でありクリーチャーでもある)。

一日のやり直し/Day’s Undoing

マナ・コスト:(2) (青)
カードタイプ:ソーサリー

各プレイヤーはそれぞれ、自分の手札と墓地を自分のライブラリーに加えて切り直し、
その後カードを7枚引く。あなたのターンであるなら、ターンを終了する。
(このカードを含め、スタック領域にある呪文や能力をすべて追放する。
あなたの手札の最大枚数になるまで手札を捨てる。
ダメージは消え、「このターン」と「ターン終了時まで」の効果は終わる。)

(初出:マジック・オリジン – 2015年07月)

MTGの世界には最強のカード群として俗に「パワー9」というものがあります。
それらは超強力でありながら25年前の黎明期以降一度も再録されていないため、
有名な《Black Lotus》を筆頭に最高で100万円以上というとてつもない値段がついており、
ヴィンテージ(過去ほぼすべてのカードを使えるフォーマット)のガチ勢や
コレクターなどが求めてやまない、MTGを代表するカードになっています。
このカードはそのうち《Timetwister》を大幅に弱体化して再現したカードの一種。
《Timetwister》は最初の一文だけですが、このカードはターンの強制終了効果がつきました。
これによって使い勝手が悪くなっていますが、腐ってもパワー9の下位互換。
単純にエンドステップ終了前に使えば手札の増強ができるし、デッキ破壊対策にも役立つでしょう。
いちおう「瞬速」を付与できれば相手ターンに起動して本家同様の動きにすることもできます。
『マジック・オリジン』を買って最初に当たった神話レアで、イラストに魅了された一枚。
現実でもよくこのカードを使いたいときがありますね。

世界のるつぼ/Crucible of Worlds

マナ・コスト:(3)
カードタイプ:アーティファクト

あなたはあなたの墓地から土地・カードをプレイしてもよい。

(初出:フィフス・ドーン – 2004年06月)

最後に紹介するのは「基本セット2019」公式スポイラーで登場した1枚。
ここまで、いろいろな“ルール破壊カード”を紹介してきましたが、
自分はこれがMTGの醍醐味だと思っています。いかにカードでルールを超えるか。
その面白さをみごとに一行で体現しているのが「基本セット2019」に再録されるこのカードです。
ルールは破壊するけどゲームは破壊しない絶妙なバランスが本当にすばらしいですね。
シンプルな効果文ですが、実に様々な応用方法があります。
例えば《進化する未開地》や《不毛な土地》のように「このカードを生け贄に捧げる」
という起動効果を持つ土地と組み合わせれば毎ターンその効果を使うことができるようになるし、
手札コストを支払う際は土地1枚が実質無料のコストに化けることになります。
さらにライブラリーから墓地に送る系のカードと組み合わせれば、
墓地に落としたいろいろな土地カードから好きに選んでプレイできるようにもなります。
《ハルマゲドン》のような双方の土地を除去するリセットカードと合わせれば、
リセット後に自分だけ除去した土地とせっせと引き上げる……なんてこともできます。
プレイできるのは「基本でない土地」も対象なので、今後新しい土地が増えるたびに
《世界のるつぼ》の可能性も拡張されていくと考えることができます。
さすがに《露天鉱床》のように露骨にシナジーする効果のカードは出てこないでしょうが、
なにしろ無制限の再利用を許すというぶっ飛んだ効果であるだけに、
いかようにも化ける可能性はあると思います。
個人的に「基本セット2019」が楽しみな理由のひとつ。
効果はもとより、カード名、アート、フレイバー、タイプ、コスト、どれをとっても好きすぎて困る。
スポイラーでこのカードとの出会いがあったからこそMTGを再開したと言っても過言ではありません。
《アーティファクトの魂込め》で動くところを見てみたい!(?)

*  *  *

以上10枚でした。さくっと書くつもりがやっぱり長文になってしまった。
平日の退勤後、無気力なときはM:TG Wikiをだらだら読むのが楽しみになっている昨今ですが、
実は6月初頭に我が家でリミテッドを遊ぶようになった直後に
E3 2018以降ずっと『フォートナイト』が週末の定番になってしまい、
調子に乗って2ボックス買ったというのにさっぱり消化が進んでいない状況だったりします。
そこに加えて「基本セット2019」も予約済みのため、順当に行けば明日届く予定。
これで未消化は3ボックスということになりますが、
実は「アイコニックマスターズ」「マスターズ25th」も欲しくてたまらなかったりして……。
自分はどちらかというとコレクターとしてMTGと向き合うことになるのかもしれません。
が、それはそれとして、リミテッドもそろそろ消化していきたいよなぁ。
まぁ『フォートナイト』ブームも永遠ではないはずなので、気長に待つつもり。


(画像引用先:Gatherer

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