#5450

全世界中略最強の男


文化


書こうと思えば雑記ないしゲームのプレイ日記で済ませることもできるのですが、
最近そういう記事があまりにも多すぎる気がするのでたまには別の話題。
と、いってもそんなに明るい話題でもありません。

実は先々月頃、『幽☆遊☆白書』(冨樫義博、ジャンプコミックス、1990~1994年、全19巻)
の電子版を買って一気読みしました。久々に読んでみようかなと思ったら
実家の全巻が売られてしまっていたので、電子書籍版で買い直したというわけです。
一日2冊くらいでサクサクと進んでいきました。
そしてファンの方には申し訳ないのですが、終始あんまり面白いとは思えませんでした。
おかしい、昔はあんなに楽しめていたはずなのに。

とってつけたような設定が次々に出てくるのに強い違和感を感じるんですよね。
『幽☆遊☆白書』は喧嘩大好きな不良・浦飯幽助が、
ある日子どもを助けようとして交通事故で死ぬところから物語が始まります。
まさかあんな札付きの不良が子どもを助けようとするなんて、
神様ですら想定していなかった事態。なので霊界は、条件付きで彼を生き返すことにしました。
かくして彼は、世にはびこる魔物を倒す霊界探偵として第二の人生をスタートすることに……

なるのですが、人気の高いトーナメント編辺りで「霊界探偵」という設定は忘れ去られ、
主人公は単に目の前に立ちはだかる敵を倒すマシーンとして猛威を振るうようになります。
そして勝ち進む主人公はいつの間にかどんどん強くなっている。
王道バトル漫画のように、修羅場をくぐったりといった描写が圧倒的に少ない。
あれ、この人一体どこで鍛錬してたの、と突っ込みたくなるくらい強さのインフレが早い。
魔界のトンネル編になるとインフレは最高潮。
どういうわけかこの段階で彼は「たまたま魔族の子孫だった」ことが明らかになり、
人間を超えた強さをもゲット。そこから2巻くらいで一気に話は進み、
魔界すべてを巻き込んだトーナメントを提案、受理され参加するという流れになっていきます。
その頃には霊界探偵時代にたまたま出会った仲間2人が、
どういうわけか魔界のトップ3の次くらいに強くなっている。
今改めて読むと、ついていけないくらいの違和感のオンパレードです。

何が言いたいのかというと、別にこの作品を貶めたいわけではありません。
名作であることは自分個人が否定のしようもない事実です。
ただ、やっぱり「思い出補正」というのは偉大なんだなと思わずにはいられませんでした。
そして穿った目で作品を見てしまうと、作品を無垢な気持ちでは楽しめなくなるんだなと。
十年以上の間があるとはいえ、
同じ作品を読んでこうも感じる気持ちにギャップがあるものかと思った次第です。
自分は昔読んだ漫画の電子版での再読というのはこれが初めてではなく、
むしろ割とよく買っている方です。まったくの新刊よりも再読の方が多いかもしれません。
そのうち大半は楽しく読めているのですが、こういうパターンもたまにあるみたいです。

なんというか……もっと純朴な気持ちで漫画を読みたいものですね。

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