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罵詈雑言には蓋を


文化

10月12日、猛烈な勢いの台風19号が首都圏に直撃し東日本に壊滅的な被害を与えました。
特に酷い被害を被ったのが千曲川(信濃川の上流)が決壊した長野県、
阿武隈川が決壊した福島県に甚大な被害が出たほか、
千葉県に至っては台風15号で大被害を被ったところにまた上陸してきたうえ、
しかも台風19号が去った後の10月26日に今度は台風21号の影響の大雨でまた床上浸水、
その他竜巻や落雷なども発生していて踏んだり蹴ったりな状況です。
千葉県にお住まいの人の無事を祈るばかりです。

都心はかねてより整備していた災害対策設備が功を奏したおかげで被害はほぼありませんでしたが、
それでも世田谷区二子玉川(ふたこたまがわ)付近で多摩川が決壊したり、
同じく多摩川に近い神奈川県川崎市の武蔵小杉ではタワーマンションが浸水してしまいました。

これからの日本にはこんな台風が当たり前のように攻めてくるのかと思うと恐ろしいのですが、
それ以上に恐ろしいというか悲しいと思ったのが、
被災者している武蔵小杉の住人に対して「ざまあみろ」と言う層が一定数いるということ。
某巨大掲示板ではもう武蔵小杉が一種の流行語のようになっていて、
ことあるごとに武蔵小杉を揶揄する発言が見かけられます。

本当に不思議なんですけど、彼らは「もし被災したのが自分だったら」
と思わないんでしょうかね。そういう意味での防災意識の低さにも頭が下がるし、
武蔵小杉の人たちが普段リッチな生活をしていたところに、
その生活が破壊されたことに対する「ざまあみろ」なら完全に嫉妬でしかないわけですよね。
嫉妬していったい何になるんだ、という。
強いて言えば、嫉妬することで自分は負け組で貧乏ですというアピールをしたいんだろうか。

まぁ、匿名掲示板というのは所詮、便所の落書きです。
ああいうところにいる人というのは基本的に発言に責任を持とうとしないし、
自己保身が一番なので、マウントを取るためには平気で嘘をつくユーザーが当たり前のようにいます。
彼らネットイナゴにしてみれば、どんな事象、人、モノ、固有名詞も
「自己保身のために叩く対象」でしかない、というのは最近掲示板を見ていて思うところです。
2008年くらいまでの匿名掲示板は
掲示板をより楽しいものにしようとする勢力が一定数はいたように思っていましたが、
今はそういう面白い人は完全に居なくなってネガティブの掃き溜めになっています。

彼らを見ていると、先日読んだ小池一夫さんの本に書いてあった、
「努力ができない人は努力する人を引きずり下ろそうとする。
なぜなら自分が努力するよりも他人を引きずり下ろす方が簡単だからだ」
という言葉はまさにこのことを言っていたんだなということを思わされます。

まぁ、自分はだからといって巨大掲示板の利用者は悪で、
けしからんやつだと言うつもりはありません。好きにしていたらいいと思います。
でも今のインターネットの問題は、そういう声が表社会に出てくることだと思うんですよね。
掃き溜め最下層の人たちの声を、あたかも「一般人はみんなこう思っている!」
と言わんばかりに、掲示板やSNSの声を取り上げるメディアがあまりにも多い。
せっかく巨大掲示板というゴキブリホイホイを用意して
害悪をそこに集結させて表社会からは見えないようにしたのに、
わざわざそこから取り出して表社会に持ってきて「ほら、ここにゴキブリがいますよ!」
と言ってくるメディアが一定数いる。勘弁してほしいものです。
有名人のちょっとしたミスや不手際を大々的に取り上げたりとかね。
そういうスキャンダルにも一定の需要があるということなのか……。

結局そうやって拡散すれば武蔵小杉の人たちの目にも触れて嫌な思いをするでしょう。
情報はなんでも拡散すればいいというものではありません。
特に日本に一定数いるネットイナゴの非生産的な声は、表に出さないに越したことはないんです。
人は知る権利がありますが、知らずに済ませる権利もあるんです。
自分はTwitterを辞めてそれなりの時間が経ってきましたが、
情報インプットを絞っている今の方がむしろ的確に情報収集できている実感はあります。
少なくとも知りたくもないことを知ってしまって損した気分になることは激減しました。
ただ、たまに情報収集がしたくなっていろいろなコミュニティを覗いてみるのですが、
どこにもネガティブなネットイナゴがいるおかげでさっぱり長続きしません。

なんというか、スマホ時代に突入して8年が経ちましたが、
日本のネット・メディアリテラシーは端末の進歩に反してなかなか進歩していないような気がします。
むしろ2010年以前よりも居心地が悪くなっているような……。

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