#5813

普通運転免許合格体験記


今日の出来事

「最強の身分証明になるし、転職活動の前に運転免許でも取るか」
発端は何気ない思いつきでした。

高卒後、時間の有り余っていたはずの大学生活では何故か運転免許を取りに行こうとはせず、
そのまま迎えた新卒就活では、当然のように自転車通勤できる会社に就職。
そして早五年が経ち、退職によってようやく訪れた運転免許を取る機会。
次の就職先は東京で、という思いはこの頃からあったので、
自分が車通勤することはこのときですら考えていなかったのですが、
しかし身分証明書である運転免許証をゲットするのは、もう後にも先にも今しかない。
そう思い至り、自動車学校に入校したのが今春のこと(#5589『クラッチの壁』2019年04月11日)。

それから実に7ヶ月8日を経て、ついに運転免許証を手に入れることができました。
本当に、本当に長い道のりでした。挫折と苦悩の連続でした。

ということで今日は、ここまでに至る中で特に苦労したポイントについて、
まだ運転免許を持っていない読者のためにまとめてみることにしました。
このブログは比較的管理人よりも年下の読者が多いことを想定して書いているので、
運転免許をまだ持っていない人もそれなりにいるんじゃないかと推測しながら書きます。

◆教習の基本は教官とのコミュニケーション

何を当たり前のことを言っているんだと思われるかもしれませんが、
個人的にはこれがすごく大事なことだと感じました。
前にも書きましたが運転教習というのは高校の体育の時間によく似ていると自分は思います。
運転技術があろうが無かろうがそんなことは関係なくて、
教官の意図する通りにきちんと動けるかどうかによって合格の可否が変わってきます。
なので、不明点はどんどん聞いて正解を聞いておかないと、
自分の勘だけではどこかでボロが出てくるし、教官との心の溝を深める結果にもなりかねません。
しかし残念なことに教官には当たりとハズレがいます。
自分も身を以って体験しましたが、
「(未然にミスを防ぐのではなく)生徒がミスしたら厳しく指摘するだけが俺の役割」
「自分は教官、相手は素人なんだから高圧的に接するのは当然で分からないのは本人がすべて悪い」
と考えている教官は一定数います。若干のミスだけでキレ出す教官とか。
仮にもベテランなんだからそんな人はいないだろう、などと高を括るのは非常に危険です。
教官としてはベテランでも人としてベテランでない人はいます。
自動車学校では感情を抑えて、プライドを捨てて臨むことが求められます。

◆身体が感覚を覚えているうちに次を受ける

自分は免許取得に7ヶ月もかけてしまいましたが、これはあまり効率が良くありません。
前回受けてから期間を空けて次を受けると、
前回教えられたことを身体が覚えていなかったりして、
結果的に教官からの不信を買いやすいからです。
次に受ける日時を自分で予約するシステムの自動車学校の場合、
次はいつ受けるかというのはすべて自制心次第になり、他人はフォローしてくれません。
ここで、面倒事は避ける性格だったりすると厄介なことになります。
嫌だから先延ばしにして、先延ばしにしたから評価されず、ますます嫌になる……
という悪循環に陥ってしまいます。
入校してしまったら覚悟を決めて、なるべく短期での卒業を目指すのがいいと思います。

◆最大の山場はS字・クランク

自動車学校は主に「第一段階」と「第二段階」にステージが分かれており、
第一段階は場内教習といって教習所内を走る練習。
第二段階は実際に一般人も運転している道路に出ての実践ということになっています。
こう聞くと、あたかも第一段階より第二段階の方が難しいように感じるかもしれませんが、
実際には最も難しいのが第一段階の「S字・クランク」という、
文字通りS字になっている狭路などを脱輪しないようにゆっくり進む科目です。
ここを突破してしまえば、路上教習は意外とそう恐れるものではありません。
S字・クランクは教え方の程度がモロに影響する、いわば教官ガチャです。
教え方が上手い教官に当たるとこの最大の難所も割と簡単に突破できるのですが、
説明が下手だったり、失敗するとトコトン責めてくるような教官に当たると、
結局は教官の手を借りずに手探りで運転せざるを得ないので、非常に厳しいです。
S字・クランクは正解の動きを一度体験して、それを身体に覚えさせるのが重要。
失敗を何度繰り返したところで身に付かないのが怖いところです。

◆確認動作は身体に叩き込む

「左折するときは巻き込みを目視確認」
「方向指示器を出す前にサイドミラー、バックミラー、目視の順でチェックする」
といった確認動作は、慣れないうちはその順番に戸惑いますが、
教習所によっては順番を誤っただけで減点ということもあります。
こればっかりは理屈抜きで順番を暗記するしかありません。
他の運転基本動作は理にかなっているのでやっていくうちに自然と覚えられるのですが、
確認動作はスルーしても車は正常に動くので、身に付きにくいことが多いです。
にもかかわらず重要項目なので、テストの際はこれを忘れると大幅な減点対象になります。
自分はS字・クランクの次に引っかかったのがこの確認動作でした。
逆に言えば、確認動作さえできれば右左折や進路変更などといった、
直進以外の基本スキルはもう習得したも同然です。ある意味では運転における最重要科目かも。

◆クラッチやギアチェンジが難しければオートマチックでも良い

これは賛否両論あるかもしれませんが、
自分はもう今の時代、無理にマニュアル車の免許を取りに行く必要はないと思います。
その理由は大きく2つ。
まず、そもそも市場に出回っている車の9割近くはオートマです。
せっかくマニュアルの免許を持っても、実際に車を買ったらオートマというのが当たり前にあります。
第二に、その流れを受けて免許取得者の過半数はすでにオートマ限定に移行しています。
「男はマニュアル」という昭和の風潮がまだ若干残っているため、
男子に限ればマニュアルが優勢であるようにも思いますが、
「俺は男だからマニュアルに乗るんだ!」という謎のプライドを捨てられない人でもない限りは、
どうせ車を買ったらオートマになるのだから、オートマ限定で十分だと思います。
トラックなどを運転する予定がある人は別として。

ちなみに、ギアチェンジは意外と難しいのですが、
それ以上にマニュアルはクラッチ操作が難しいです。
「半クラッチ」という、クラッチを踏んでいるか踏んでいないか微妙な力加減を要求されるので、
足で繊細な動作ができない人はまず間違いなくここで躓きます。
そこにギアチェンジも加わってくるので、オートマと比べて3倍くらいの動作を要求されます。
運転免許さえ取れればいいや、という人にマニュアルはとてもお勧めできません。
マニュアルは、あくまでも車通勤は当然、ドライブも楽しみたいというような、
車に夢を見ており免許取得に十分な意欲がある人向けです。

◆学科試験は「常識的に見て安全な方」を選択すれば7割取れる

個人的にかなり苦痛だった学科試験。
自動車免許の学科試験は、すべて「○か×」の選択で答える問題になっています。
ただ、効果測定2回と免許センターの学科試験を受けて思ったのは、
問題文を読んで○の場合と×の場合を頭の中で想像したとき、
より危険に感じられる方が不正解、より安全に感じられる方が正解である、
というパターンは結構多いです。これだけで70点分は取ることができるようになっています。
これらは常識問題みたいなところもあるので、普通に日本で過ごしている人なら問題ありません。

問題は残る3割。試験は90点で合格なので、残る30問のうち20問を正解しなければなりません。
残り3割で問われるのは、道交法上のルールを数値などで問われる問題が3分の2、
引っかけ問題が3分の1といったところです。
ルールを問う問題に関しては、まず標識の意味を正確に覚えましょう。
「左折可」と「一方通行」なんかはマークがよく似ているためとても間違いやすいです。
標識以外では、徐行すれば通っていい場所、一時停止しなければならない場所、
駐車してはいけない場所、駐停車してはいけない場所、といった辺りは頻出項目なので、
もう何も考えずに丸暗記するしかありません。

あとは厄介なのが二輪車関係の問題と、路面電車関係の問題です。
こんなの免許取得後も役に立たないのは目に見えていますが、とにかく覚えるしかないです。
特に二輪車は設問数が多めに設定される傾向があるため、無視できません。
数値関係だと普通免許を取得して運転できる車の総重量の限界は3.5tだけど積載量に限ると2.0tとか、
駐車が禁止されていない場所でも右側に余地を3.5m取れない場合は駐車できないとか、
路側帯がある道路は歩行者が通る余地を0.75m取れれば路側帯の中に停車してもいいとか、
この辺の数値関係は覚えておいて損はありません。

試験勉強に関しては、自動車学校が『満点様』というサイトに対応していれば、
それを使うのが基本的に無難です。1700問以上の問題を解くことができるうえに、
間違えた問題だけピックアップして復習できるので、暗記するにはとても効率がいいです。
自分はこれを使って900問ほどの問題をすべて正解するまで解きました。
それくらいの自主勉強は必要かなとは思います。
正直、自動車学校の科目授業は焼け石に水程度なので、当然ノー勉強では厳しいでしょうね。

*  *  *

こんなところでしょうか。
とにかく、「車を運転したい!!」と思って入校するのと、
「とりあえず免許は欲しい」と思って入校するのでは大違いということは書いておきます。
特に後者の場合、自動車学校は茨の道です。教習、科目、どれも優しい部分なんてありません。
科目試験に至っては合格できるかどうかギリギリのラインに震えさせられます。
身分証明のためだけに30万円払ってまで
何十時間も茨の道を通るべきなのかどうかはよく検討したほうがいいと思います。
どんなことでもそうなのでしょうが、特にこういった資格の場合、
取る目的や動機といったものは勉強を継続することにおいて重要なことなんだなと痛感しますね。
「とりあえず必要そうだから取る」と思い立って全力で勉強できる人もいるかもしれませんが、
そういう人は相当素質に恵まれているんだろうなと思うわけです。
たいていの人はそうはいきません。

まぁ、何はともあれ、自分は自動車学校の束縛からは今日で完全に解放されました。
そのことは素直に嬉しいです。半年以上抱えていた負債をようやく返し終わったような感覚。
いろいろなことがありました。
ハズレ指導員に何度もプライドをズタボロにされて屈辱的な目に遭わされたり、
それで意気消沈して消極的になっていると受付のお姉さんに背中を押されたり。
どれもこれも、生半可な覚悟では通過できなかったと思います。

自分が最後まで諦めずに済んだのは、
「ここで諦めたら30万円をドブに捨てることになる」
という現実がなんだかんだで一番大きかったですね。本当なら投げ出していたところでした。
それこそ、入校費が10万円程度だったら実際に諦めていたかもしれない。
30万円という絶妙に高額な設定だったからこそ、安易に貯金を切り崩して入校を決意してしまったし、
そして後に退けなくなってしまったのだと思っています。
あとは転居日というタイムリミットがあったのも結果的には良かったです。
11月に引っ越すという予定がなかったら、年末までダラダラと通っていたかもしれません。
免許を取りに行く際は、きっちりとゴールを決めてから臨むのが良いと思います。

こうして振り返ってみると、
運転免許を取ることに限らず実にいろいろなことがあった7ヶ月間だったなと思います。
そしてついに手に入れた最強の身分証明。
なんだか、10年遅れで大人の階段を一段上った気分です。
さて、自分が今後車を運転する機会は果たしてあるのでしょうか。

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