#5892

期待の新人を演じる


今日の出来事

さて、書けなかった昨日の話題から。昨日もいろいろありました。
その中でも最大のイベントは、上司とお昼を食べに行ったことです。
そう、あの理不尽教官と。

この業界では、現場に飛ばされる前に「スキルシート」というものを作らなければなりません。
名前から想像できると思いますが、これには自分が具体的に何ができるのか、
ということを事細かに書いていきます。独学で身に付けたスキルもカウントしていいそうです。
スキルシートは、主に研修室の上司が研修の進み具合等を見て見極めるほか、
自己申告制となっています。
そしてこのスキルの見極めをするために設けられたのが、
入社三ヶ月目に突入した研修生が全員行っている、この上司とのランチです。
ここでいろいろな質問に答えることで、どの現場に飛ばすかが決められるみたいです。
ちなみに、昼食費は会社負担です。

自分としては以前、どうしても研修内容の理不尽さに納得できなくて
上司とバトってしまったことがあったので(#5848『学ぶことを許されない部屋』2019年12月24日)、
少々気まずいところはあったのですが、
ランチに行くことが決まってからはなるべく嫌われないようには勤めました。
この人に嫌われたら査定にも影響があり、行く現場の難易度にも影響があり、
ひいては仕事の忙しさや生活の充実度にも関連してきます。
そうなるともうこちらとしてはこびを売りに行くしかありません。

ただ、向こうはバトったことについてはもう水に流してくれたのか、
自分のことをネガティブな目線で見ることはありませんでした。
それどころか、
「君のように独習できる人は放っておいても伸びるから大丈夫だ。
ずいぶん多くの研修生を見てきたけど、ほとんどの人は言われたことしかしないから現場で苦労する。
君はそれに当てはまらない数少ない人材だよ」
と、かなり評価してくれているようでした。正直耳を疑いました。
自分が教官に教えた自分のことは「趣味でプログラミングも多少は囓っている」ということだけで、
それだけの要因でここまで高い評価を受けるのはなんだか過剰な気がしなくもないです。
そういうことを言われると、今後ますます人一倍頑張らないといけないと言われているようで
プレッシャーを感じてしまうというか……。
なんというか、職業訓練に入った辺りからずっと過剰評価されているような気がするので、
いつかどこかでボロが出てしまうんじゃないかと思うと恐ろしいです。

ランチの会場は西新宿のとあるホテルに入っているカレー屋さん。
まず、二つの質問をされました。
ひとつめは、
「今後、マネジメントかスペシャリストのどちらになりたいか?」
これはおそらく、ゆくゆくは会社内のリーダーとしてやっていきたいかどうかという質問です。
マネジメントを選べばグループリーダーとしての役割を任せられるかもしれない。
その代わり、それは人心掌握の力、コミュニケーション能力等々が求められる。
一方スペシャリストというのは、要するに当面は個人としてスキルアップに集中したいという意味。
自分は、リーダーになっても給料は大して変わらないことと、
特にコミュ力等に自信があるわけでもないことから、スペシャリストを選択しました。
まさかこの一言で昇進の道が絶たれたわけではないと思いますが、
自分の内面をよく考えれば間違った判断ではないと思います。

ふたつめの質問は、
「当面と遠い将来ふたつの意味において、今後やりたいことは何か?」
これには、当面の目標は多くの人に使ってもらえるようなwebサービスを作ること、
将来的な目標には、ブログの年間抱負〈#5856『今年の抱負 2020』2020年01月01日〉にも書いた、
自然言語処理AIの作成を挙げました。
これは上司の前だからとかは関係なく、ただただ個人的に考えた率直な目標です。
すると上司は、
「それなら君はDjango(ジャンゴ)を扱う現場に行くといいかもしれないね」
とアドバイスをしてくれました。
Djangoとは簡単に言えば、Pythonでwebアプリを作るフレームワークです。
Pythonというのは、ざっくり言えば人工知能の作成ができるプログラミング言語のことです。

自分はPythonでwebアプリを作れるということは知らなかったので、Djangoはいい収穫だったし、
もしそういう現場に入って揉まれてくれば、
あわよくば個人的な人工知能開発へのスタートを切る機会が得られるかもしれません。
もちろん、Pythonでwebアプリを作る手法を学んだからといって、
自然言語処理がすぐにできるようになるというわけではありませんが、
Pythonすら習得していない自分にとっては仕事でそれを使えるならいいステップアップになります。

あとは雑談にもそこそこ花が咲いたのですが、
思い切って上司に、例の特設サイト(ピクチャレ大会)で
XAMPPでは正常に動くのに本番環境ではまともに動作してくれない不具合について聞いてみたら、
「レンタルサーバーの制約かもしれない」とアドバイスをもらいました。
技術的な詳細については割愛しますが、
この指摘が正しい場合は自分はプログラムをかなり改修しなければならないことになります。
まさかVPSサーバーに移行することなんてできるわけがないので、
制限内で動くようになんとかしなければなりません。
というわけでピクチャレ大会ご利用のみなさん、
Cookieが保存されない問題はかなりの長丁場になりそうだということをご承知置きください。

上司には「技術的な相談ができる『師匠』のような人がいるといいよ」とも言われました。
言われてみれば自分は、webプログラミングに関してはずっと孤独との戦いでした。
強いて言えばweb上に意見をアップしてくれている先人達を頼りにしてきましたが、
今回みたいに本当に困ったときに助けてくれる人というのは、周りにはいません。
研修室の上司というのは社長にも意見を言えるような立場で、
自分にとっては「上司の上司」みたいな立ち位置なので軽々に相談することもできません。
このランチは特例中の特例だったわけです。

なので、今後はまず自分が頼れる人を現場なり社内から探し出すのが急務かなーと思いました。
そこまで高望みしなくても、この際ライバルでもいいです。
自分を対等なプログラマーとして見てくれるようなライバルがほしい。
まぁ、それで同じパイを食い合うようになってしまうと今度は嫉妬してしまったりもするので、
この辺は難しいところではあるんですけどね。あくまで共同戦線で戦いたいものです。

ランチの時間は10分オーバーし、14時10分に終わりました。
今回で分かったことですが、上司は少なくとも自分を出来ないヤツだとは思っていない。
それどころかそこそこ期待しているのだということが分かりました。
そして上司は、「自分で理解しようとしないヤツ」に対してはトコトン嫌味を言うけれど、
期待している人に対してはとても友好的に接してくる。
だから、期待されているかぎりは、
こっちからケンカを売らない限りは友好的に接してくれるものと分かったのは収穫でした。

もちろん、そういうボーダーラインの引き方は褒められたものではないと思います。
悪く言えば差別主義者、実力主義者。
きっぱりボーダーラインを引いておいて、
ここを越えたらアメをやるけどそれ以外には徹底的にムチしか与えないというやり方は、
典型的なスパルタ教育のやり方です。
このやり方は必ず一定数の落ちこぼれを生み出すので、理想的な教育とは言えません。
でも、それは同時に現実主義者でもあるのかもしれない。
上司は言っていました。
「本当のことをいうとたった3ヶ月の研修でどうにかなる世界じゃない。けれどやるしかないんだ」
今から自分たちが行こうとしている「現場」という世界は、経験者が当たり前です。
なのに実務経験のない人たちが
専門学校での鍛錬といった工程をすっ飛ばして直接現場に行こうとしているわけですから、
チュートリアルでも甘いことを言っていられないのは当たり前です。
上司が不出来な人に厳しい態度を取るのは、ほんの少し理解できたような気がしました。

まぁとりあえずこの上司には好かれるに越したことはないので、
自分はなるべく期待に添う形でやっていこうと思っています。
もちろん、期待に添うことを優先しすぎて自分が潰れてしまっては元も子もないので、ほどほどに。
あと、今回のことと去年末に理不尽な目に遭ったのは別の話ですからね。
あれは絶対に設問に欠陥があったと思う。
友好的になったからといってそこを譲るつもりはありません。

さらに今日は総務部の人とも面談しました。
3ヶ月目に突入したら、原則として「毎日出勤になる」ということを言い渡されました。
今の自分たちは、火曜日と木曜日が休みになっていて週3日出勤になっています。
しかしこのままだと研修が最後まで終わらないので、
残る1ヶ月は毎日出勤してなんとかゴールすることを目指すというもの。
それでもゴールできなかった場合はそこで研修打ち切りではなく、延長になります。

ちなみに研修室の実態は、全員が3ヶ月目ないしそれより早くから毎日出勤に切り替わり、
ほぼ全員が延長しているそうです。もう5ヶ月目という人も少なくありません。
研修での課題がそもそも3ヶ月でクリアできるような作りになっていないということなのですが、
上司曰く、「これをクリアできなければ現場ではまったく使い物にならない」そうです。

で、問題はここから。
研修期間は給料が約半分になるわけですが、延長すれば当然半分のままです。
じゃあ毎日出勤したらどうなるかというと、これも半分のままです。
ここがこの会社の闇の深いところで、時給換算すると東京の最低賃金を下回ります。
そりゃあ毎日出勤しているのに給料は半分のままだから当たり前です。
会社にしてみれば、現場に行っていない(=利益が出ない)のに給料が出るだけでも
大盤振る舞いということらしいのですが、
生活がかかっているこちらにしてみれば納得できるものではありません。

先日の試算で、このままいくと株を売るか何回かの単発バイトを入れないとマズい、
という結論に至りましたが、毎日出勤になったらバイトすらできなくなります。
こんなことでは生活が行き詰まってしまう人もいるのでは??
もちろんそれは会社も把握していて、その救済措置として給料の前貸しを行っているそうです。
前貸しなんていう言葉、漫画以外で聞くことになるとは……。
自分は他の同期より給料が若干高いので、その分を前借りするのはアリかなと思っています。
でも、これで借りてしまったらきっとバイトはできないだろうし
お金はある分だけ使っちゃうだろうし、さらに満額給与は減るしと、
貯金できない問題はますます泥沼になってしまいそうな気がしないでもないですが……。
もちろん利子があるわけではないので、もらうタイミングがずれるだけなんですけどね。

毎日出勤そのものは自分も薄々覚悟していたのでいいのですが、
毎日出勤も、給料の前貸しも、「ほとんどの人が延長している」という事実も、
どれもこれも入社前には知らされていなかったことで、
なんというかちょっと騙されたような気はしていますね。
とにかく、自分は史上数人目の延長なしで研修卒業というのは金銭的には絶対必須となりました。
そのためには毎日出勤はやむを得ないところかなと思っています。
ある意味、今月が最大の修羅場なのかも。

実は今日、明日は休みで四連休なのですが、来週からはさっそく毎日出勤になる予定なので、
平日休みは明日が最後ということになります。
東京での毎日出勤はなかなかエネルギーが要りそうで、不安はありますね……。

まぁ何にしろこの研修期間3ヶ月目、期待されているのは良いのですが、
なかなかの踏ん張りどころになりそうです。

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