四日ぶりの“今日の出来事”ですが、この短い間に世間ではさまざまなことがありました。
まず、なんといっても緊急事態宣言解除。
かねてより首都圏+北海道以外は解除されていましたが、25日をもって首都圏も解除。
当初、05月末までと言われていたので一週間程度前倒しで解除されることになりました。
ところがこれは、解除されたから元通りの生活にただちに戻るという意味では決してありません。
例えば越境外出。まず全国一律で今月末まで帰省や旅行は極力控えるようにと言われています。
さらに都道府県境をまたぐ移動は、首都圏+北海道を行き来する場合、
06月18日までは極力控えるようにと言われています。06月19日でようやく解禁。
さらに観光目的の場合、07月09日までは県内観光とし、県外解禁は07月10日以降となっています。
イベントに関しては収容定員の半数を上限として、段階的に緩和。
ただし、都内に関しては独自基準がありクラブハウスなどは最終段階でも解禁されません。
スポーツイベントは06月19日から無観客試合でスタートします。たとえばプロ野球等。
ちなみに競馬界の祭典、日本ダービーは今週先行して無観客試合で開催されます。まぁ馬ですし。
自分はもともと04月中旬に帰省する予定だったわけですが、
緊急事態宣言でやむを得ず06月13日に変更しました。
ところが、今回のこの政府の方針を受けてさらに変更せざるをえなくなり、
実家と調整した結果06月27日ということになりました。
ただ、現在新幹線の予約は直前にならないと予約が解禁されない特殊な状態になっているので、
帰省したい人が殺到した場合は予約が取れない可能性も少なからずあり、
当日は05時半起床が必須かもしれません。
緊急事態宣言については以上、次は政治関連。
先日、「かなり不穏なことになっている」と書きながらも政治については一切書きません、
と断言しておいてこれを書くのもアレなんですが、
もはや政治云々関係なく身近なところまで影響が出てきているので無視できないかなと。
ざっくりあらすじだけ書いておきますと(きちんと知りたい人はググってください)、
まず国が所有している大阪市にある土地を、「森友学園」という学校法人に、
本来8億円くらいの価値があるのに1億円ちょっとで売り、忖度があったのではと問題視されました。
さらに政府は森友学園を国家戦略特区に認定して獣医学部を新設しました。
野党から「首相が職権乱用して森友関係者を特別扱いしている!」と非難すると、
今度は政府側は報告書を首相の発言と矛盾が出ないように改ざんし、事実を隠蔽しようとしました。
さらに改ざんに関わった人は自殺してしまいました。果たして首相の責任は。
ここまでが俗に言う「モリカケ問題」で、ここ数年の国会のメインテーマになっています。
そして、その問題で訴えられてきた人は何故かことごとく不起訴になっていました。
これは、検察官である森川氏が政権寄りだからと言われていました。
ところが森川氏はもういい歳なので、今年秋には定年退職しなければなりません。
そこで政府は法律の解釈を変更して、森川氏を残留させようとしました。
しかし野党から不満が出たので、今度は「政府が自由に定年延長できる」法案を通そうとしました。
ここでついに国民が動きます。
Twitterではこの法案に反対するハッシュタグは連日トレンド入りし、
総インプレッションは640万超とも言われています。
この動きを受けて、政権は法案のゴリ押しはさすがにやめました。
ところが、政権がそこまでして守ってきた黒川氏が、賭け麻雀をしていたとかで吊し上げられ、
さらに退職金6000万円を受け取って辞任したことで国民の不満が再噴出。
これにより9年続いている安倍政権は過去最低レベルの支持率に下がっているというわけです。
さて、これによって身近なところにどういう変化があったのかというと、
Twitterが急速に政治臭くなったというのが個人的な所感です。
検察官定年延長問題でTwitterのトレンドが政治に影響したことがきっかけになって、
それで味をしめた政権反対派が連日のように政治ツイートをしています。
新型コロナウイルスの影響で堂々とデモができないというのも大きいのでしょう。
この関係でここ数日は、政治絡みのハッシュタグを見かけない日がありません。
Twitterユーザーがここまで政治的に偏ったのは、ここ十年で最大なのではないでしょうか。
果たして次の選挙はどうなるのか……。2009年の再現になるんでしょうかね。
以上が2つ目。3つ目はTwitterではなく、それに似たサービスの話です。
読者のみなさんはMastodon(マストドン)というサービスを覚えているでしょうか。
あくまで大企業が統轄する中央集権的なサービスとしてのTwitterに対抗して、
誰もがサーバーを立てられ運営できるように分散した新しいタイプのマイクロブログです。
そのうち国内最大規模のサーバーが「mstdn.jp」というドメインだったのですが、
これがこの度、後述の事件の影響で06月末をもってシャットダウンすることが発表されました。
Mastodonは連合タイムラインをたまーに見ていましたが、
本当に利用者が多かったのは最初期だけで、最近はユーザーがめっきり減っていました。
そして今回のサービス終了。
Mastodonそのものが滅亡したわけではありませんが、
まぁなんというかMastodonもTwitterには勝てなかったんだなぁと……。
4つ目はまたTwitterに戻ります。
これはmstdn.jpがサービス終了する直接的な原因になった事件で、
民放とNetflixに出演した女子プロレスラーが、Twitterの誹謗中傷を受けて自殺してしまいました。
リスカ画像とかが出てきて怖いので覚悟のある人だけググってみてください。
今のTwitterは本当に無法地帯になっていて、
有名人に対するいわゆるクソリプや誹謗中傷はもうずっと前からの問題になっています。
Twitter社はリプライ限定機能をリリースするなど対策を発表はしていますが、
それもごくごく最近のことで、とにかく治安悪化にシステムが追いついていないという現状です。
この事件で「誹謗中傷はもうやめよう!」という声が一気にあがり、
これに対応して政府もすでに動き出していて、
ネットで誹謗中傷した人を特定する手続きを簡易化する法案を通そうという動きになっています。
インターネットへの書き込みには通常、IPアドレスという情報が自動的に記録されています。
IPアドレスというのはネット上の住所のようなもので、
これを逆引きすると、書き込んだ人がどの回線を使っているのかが分かります。
IPアドレスは通常、サイトを管理している人が把握しています。
なので自分もこのブログや特設サイトに書き込んだ人のIPアドレスは把握しています。
このIPアドレスを使って、回線を管理している業者(プロパイダー)に、
「このIPアドレスを使っている人は誰ですか?」と訊くのがいわゆる開示請求です。
プロパイダーはIPアドレスと個人を繋ぐ役割を持っているので、
当然どのアドレスがどの個人に繋がっているかを把握しています。
しかし現行法では、個人の開示請求にプロパイダー側が応える義務はないそうで、
たいていは弁護士などを仲介することになり、非常に厄介な手続きを通さなければなりません。
なので掲示板等の管理側も書き込みの削除には応じても通報には応じないことが多く、
誹謗中傷・名誉毀損等された側が泣き寝入りすることが多いというのがここ20年の実情です。
この手続きを簡素化しようというのが今回のおおまかな流れですが、
「これからのネットは実名活動に制限するべきだ」などと言っている過激派もいます。
mstdn.jpは元々Twitterよりもさらにひどい無法地帯だったので、
もしこの法案が通って管理人の負担が増えたらもはや手に負えないことが明らかということもあり、
面倒な事になる前に撤退することに決めた、という感じです。
自分はこの法案は別に通してもいいと思いますが、あんまり意味がないと思っています。
なぜなら最終的に判断するのはアメリカにあるTwitter社だからです。
Twitter社が、日本の法律が厳しくなったからといってすぐ行動してくれるとは思いません。
Twitter社が守らなければならないのはあくまでアメリカの法律です。
ちなみにいうと、もともと日本産だった某巨大掲示板「5ちゃんねる」も、
今となってはアメリカの企業が管理しているので、こちらの対応も同じことになります。
結局、その法案が通ったら日本が管理している掲示板だけはよりいっそう厳しくなる。
そうなると外国が管理している掲示板やらTwitterやらにさらに罵詈雑言が集まりそうな気もします。
自分個人としては、Twitterがアカウント作成に電話番号を必須にすれば解決する話だと思います。
むしろ、LINEはずっと前からそうしているのにTwitterがそれをしないのが不思議でしょうがない。
後発のInstagramですらやっていることなのに……。
誹謗中傷を法律で無理矢理押さえ込むのはちょっと無理があると思います。
開示請求が簡単にできるようになったとして、じゃあ今後誹謗中傷したら続々と逮捕されるのか?
逮捕したらきっと、逮捕した人を誹謗中傷する人がまた出てきますよね。じゃあその人も逮捕?
きっと、誹謗中傷した人を単純に裁くだけでは永遠に裁ききれないと思います。
かといって、いま大人になってしまった人にネットリテラシーを叩き込むのも難しい。
誹謗中傷する人はネットをする権利はない、と取り上げるのも無理でしょう。
Twitterにも書きましたが、自分は誹謗中傷の本質は「心の弱さ」にあると思っていて、
それは現代社会人なら誰でも持っていると思うんですよね。
誹謗中傷そのものを犯罪にしてしまったら、誰もが犯罪者予備群になってしまう。
もちろん誹謗中傷が悪いのは絶対間違いないんだけど、
今回のような問題は「失うものが何もない匿名が逃げ場のない有名人に対して簡単に発信できる」
というTwitterのシステムにこそ問題があると思います。
きっと誹謗中傷する人も匿名じゃなかったら言わないんですよ。仮面を被らないと言えないわけです。
だから、電話番号登録必須にすれば完全匿名ではないということは明らかになるので
(ブロック・通報された時点でつぶやけなくなり、アカウントの再作成もできない)、
かなりの抑止力になると思うわけです。
今も電話番号はいちおう登録必須らしいのですが、
捨てアカが蔓延しているということはきっと抜け道があるんでしょうね。
なので、せめてその抜け道を潰してほしい。これはそれほど非現実的ではないと思います。
新型コロナウイルスの最中、政治利用され、誹謗中傷問題が発生し、
Mastodonという当面のライバルが消滅したTwitter。これからどうなっていくのでしょうか。
この十年でTwitterは致命的に変な人が増えたと思いますが、
いよいよ誰にとっても居づらくなってきたとなれば
きっとそのタイミングで新しいマイクロブログが登場するのではないかと思います。
まぁでも、「実名登録必須のTwitter」みたいなものはこの国では流行らない気がしますが。
AIが誹謗中傷を自動NGするSNSの方がまだ現実的な気がする。
いずれにしても、今後どうなるか注目していきたいと思います。
長々と書きましたが今日はこの辺で。