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読書の黄金比


文化

個人的に掲げた2020年の目標のひとつである「年間読書12冊」ですが、
あんまり良い目標ではなかったかもしれないと反省しています。
12冊読むというのはつまり月一冊読むことを目標とするという意味になるわけです。
逆に言えば、一ヶ月以上かかるような本はなかなか読めないということになります。
そういう本を読むには、例えば1月に3冊読み、2~3月に1冊を読む……というように、
他の本の読書ペースを相当上げて時間的余裕を生み出す必要があります。

また、同様に時間の借金が生まれる可能性も出てきます。
まさに今年がこのパターンで、新型コロナウイルスによる営業自粛によって、
カフェに一切行けない期間というのがありました。そのせいで現在読書は目標の2ヶ月遅れです。
こうなるともはや「読むこと」そのものが目的になってしまいます。
本当はじっくり読んで理解することがゴールだったはずなのに。

だから結局、「年間読書12冊」という目標は、
読書スタイルの柔軟性を奪うだけの目標にすぎないのではないかと思うわけです。
そんなことで悩んでいたら、もう1ステップ上をいく良い提案をしている記事がありました。

読書がはかどる「3つの黄金比」ここにあり! 本は「9:1」で選びなさい – STUDY HACKER

リンク先の内容はざっくり要約すると、読書をより良くするために3つの比率が提案されています。
まず、「速く読める本」と「速く読む必要のない本」の比率を9:1にする。
「速く読む必要のない本」というのは、要はじっくり読みたい本などの自分なりの課題図書を指し、
「速く読める本」はそれに該当しない、新書や入門書などの平易な本を指します。
速く読める本の比率を大きくすることで読書がどんどん前進していく感じを実感でき、
読書の習慣化や読書量の増大に貢献します。課題図書とそれ以外でメリハリをつける効果もあります。

それから、「インプット」と「アウトプット」の割合を3:7にする。
アウトプットというのは、本の内容を人に話すでもいいし、書評を書くのでもいいし、
あるいは大事な部分にマーカーを引くのもアウトプットです。
読んで終わり、では読んだ内容は記憶として定着しません。アウトプットを重視しましょう。

最後に、「読書をする時間」と、「小休止する時間」の割合を25:5にする。
つまり、25分読んだら5分休憩する。ヒトは長い時間本を読み続けられるほどの集中力は持ってなく、
20~30分程度活動したらインターバルを挟むのが脳の活動に合っているのだそうです。
一気に読み切るのではなく、適宜休憩することを心がけましょう。

以上が要約です。
自分は、インプット:アウトプットの比率に関してはすでに実践できていると思っています。
一周読む、読書録のために二周目を読みながら重要点をメモする、読書録を書く、
という3工程を比率にすると、おおよそ3:6:1くらいになるのではないかと。
後者2工程がアウトプット活動なので、合計すると3:7になります。
:休憩の比率についてもすぐに実践できそうなので、これも問題ありません。

目から鱗だったのは最初の、速く読める本:課題図書の割合を9:1にするという部分。
自分は、読書する本を選定する際、これまで基本的に興味本位や見て呉れを重視して決めていました。
つまり、それを手軽に読めるかどうかという読書の難易度は考慮してこなかったわけです。
それどころか、この本を読めばどういうステータスになるかということばかり考えていた。
その結果、難しい本は買うだけ買ってことごとく積むことになっていました。
「速く読めるかどうか」を考慮して本を選べば、ひとまず積ん読率は減ることが期待できます。

ただ、この場合は「速く読める本」をどうやって見極めるかが新たな問題にはなります。
自分の場合、タコウインナーの法則により、
本当に一番興味のある本に関しては逆に神聖化しすぎて読めない傾向にあります。
そうではなくて、興味はあるけどナンバーワンと呼べるほどではないという程度の分野については、
まあまあ抵抗なく読み進めることができます。
速く読めるか否かというのはまずこの辺の違いがあるように思います。

それから、もっと単純に平易な言葉で書かれているか否か。分かりやすいテーマか否か。
そのテーマに関する知見がすでにあるか否か。
文系が数学関連の専門書を速く読もうとするのはどう考えても得策ではありません。
また、たとえ哲学者でもマルティン・ハイデッガーの『存在と時間』はそう易々と読めません。
専門知識のあるなしに関わらず、読むのが難しい本というのもあります。
そういう観点で言えば、ある種の自己啓発本は基本的に無知者向けに書かれているものが多いので
(と言うと一定の層から反発されそうですが)、読みやすいように思います。
また、中高生向けに書かれた本も簡単に探せる「速く読める本」に分類される気がします。
まぁ、新書で「15歳からはじめる○○」「高校生のための○○」
みたいなタイトルの本は逆にその年齢には難しすぎる、という謎の法則もあったりしますが……。

ページ数や1ページ当たりの文字数を見るというのも手かもしれません。
400ページ超だったり1ページに小さい文字がびっしり詰まっていたりすると、
内容が平易でも読み切るのは困難である場合があります。
とにかく、読みやすい本を探すヒントというのはないわけではありません。
そういう本を狙って読んでいって、10冊目に到達したら、
いままでに探してきた中で
「これは興味あるけど時間かかりそうだな」とスルーしてきた本にいよいよ取りかかればいいわけです。
ゲームで言えば、9冊目までは通常戦で、10冊目がボス戦みたいなものですね。

このサイクルに慣れていけば、少なくともトータルの読書量は多くなりそうな気がします。
ただし、それによって学んだことが実になるかは分かりません。
速く読める9冊は確実に興味本位だけで選んで読みきった9冊よりも薄くなると思います。
鍵になるのはボス戦の1冊からどこまで学べるかですね。そこでどこまで経験値を溜められるか。
また、全体のサイクルを早くするのも重要です。10冊では薄くても、20冊読み込めば実になるかも。

社会人は学生と違い、自分から学ぶことを辞めてしまったら誰も世界のことを教えてくれません。
その生活で蓄積されていくのはせいぜい所属する会社でしか通用しない知識です。
生涯学習を続けていくためには、読書習慣は欠かせないものだと思います。
愚直に読むだけでなく、いろいろと試行錯誤していろいろな本を読んでいきたいものです。
無知で居続けるには人生は長すぎますからね。退屈は無知故。
せっかくならいろんなことを知って人生に活かしたい。
読書は確実にそのとっかかりになると信じています。

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