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井の中のエンジニア


今日の出来事

そういえばそろそろ研修が終了して正社員になって一年になります。
思えば、何も分からずに身一つで飛び込んだ東京のweb系ITエンジニアの世界でしたが、
一年経って少しずつ闇の深い部分も見えてきました。
結論から言うと、現在学生や異業種の方はweb系ITエンジニアになることはオススメしません。
これを書くのは三度目くらいのような気もしますが、
状況も変わってきているので自戒も込めて現状をまとめておきます。

自分が就活した2019年当時というのは、いまや遠い昔のように思える「コロナ前時代」。
この当時はIT企業は全体的に人材不足と言われていて、社員育成が盛んに行われていました(多分)。
わりと若者にも人気の業種らしく、
異業種からセカンドキャリアとしてITエンジニアに転向するという人がとても多かったですね。
おそらく、その傾向はコロナ禍によって相当加速したんじゃないでしょうか。
テレワークもでき、プログラミング能力という専門スキルも身に付く。
しかもそのスキルがあれば食いっぱぐれないということで、
「年収1000万円も夢じゃない」という売り文句でスクールが盛況のようですが、
そういうところに行ってしまうようなスキルであればたぶん事務職に行った方がまだ幸せになれます。

なぜITエンジニアがヤバいのかというと、
まず都会を中心に「SES(システムエンジニアリングサービス)」という形態が浸透していること。
これは簡単に言うと、社員だけど別の会社に派遣する働き方です。
ITのプロジェクトはそれぞれ規模も大小様々で、必要なスキルもプロジェクトごとに違います。
使う技術もサーバーOSからプログラミング言語からフレームワークまでさまざまで、
全部マスターしている人なんていません。
それを、新規プロジェクトを立ち上げるごとにプロジェクトにマッチした人を雇っていては、
人件費がバカにならないし、プロジェクトが終わったら人が余ってしまいます。

そこで、プロジェクトを立ち上げた企業に対して、それにマッチした社員を送り出すのがSES。
基本的に、東京都のIT企業の半分くらいはこのSESと言われています。
その反対に、自社で人材を育ててプロジェクトの発足も行う会社を自社開発系とか言ったりします。
自社開発系は、まず未経験は雇いません。どんなに短くても経験二年以上が必須。
なので、ITエンジニアの門戸を叩くにはまず、何はともあれSESからスタートします。
もちろん学歴や実績があるならいきなり自社開発系という道もあり得るかとは思いますが、
現在、コロナ禍の影響でプロジェクトが凍結している会社も非常に多くあり、
人手不足から一転、人手過剰になってしまっているのでなかなか厳しいと思います。
特に、スクールから大挙して押し寄せてきた経験二年以下の素人が圧倒的に余っており、
彼らに紹介する仕事がSESですら無いという状況がこの一年くらいずっと続いています。

ついには社会問題となり、いつだったか忘れましたが(アーカイブするの忘れた)、
ITエンジニアが全然関係ない電話番や営業などをやらされているというニュースが出ました。
そう、もはやプログラミングはさせてくれないんです。これがコロナ禍におけるITの実態です。
あとSESの悪しき慣例として多重請負も相当問題になっています。
これは、厚生労働省が約3億円で新型コロナウイルス接触確認アプリを委託したところ、
中間請負のパーソルという会社が大半のお金をもっていき、
開発現場に回されたのはわずか数百万円だったというこれまた闇深なニュースが最近出たので、
ご存じの方も多いんじゃないかと思います。
日本がIT後進国と言われているのはほぼほぼこいつらのせいだと思います。
ちなみに、SESは「ほとんどがブラック企業」と言われています。
社員を派遣したらあとは延々マージンを貪っていればいいだけなので、そりゃ腐敗もしますよ。
一説には現場とは社員の給料の倍以上のお金で契約が交わされていて、
給料にならない分は全部SESがマージン料として持っていくそうです。
ちなみに、それが嫌ならフリーランスという道もいちおうあります。
フリーランスはフリーランスで、税金とかものっすごい取られるみたいですけどね……。

さて、そんなちょっと闇の深そうな業界に入ってしまった自分。
転職前もなんだかんだでIT系の零細企業だったのでブラック企業のヤバさは知っていましたが、
当時は「ピクチャレ大会」をイチから立ち上げて運用していたことに多少の自信はあったし、
実際にその経験値のおかげで研修はすいすいとクリアすることができました。

しかしそれは、まさしく井の中の蛙でした。
しょせんピクチャレ大会は田舎の小汚いパソコンで作られたレガシーに過ぎなかったのです。
いざ東京の現場に出てみると、まずフレームワークを習得していないと話にならない。
デバッグ、サーバー操作、オブジェクト指向、バージョン管理、アルゴリズム……。
多人数で開発するのに必要なスキルを、自分は何一つ持っていませんでした。
もっといえば、アルゴリズムやオブジェクト指向を理解するための論理思考、
未知のプログラムを解読するための英語読解力、
そしてもちろん自分の知らないことを訊くためのコミュニケーション能力も問われました。
あとコロナ禍では、テレワークでもサボらない精神力も必要ですね。

結局自分がピクチャレ大会で培ったものは、実践で使う無数のツールのごく一部でしかなく、
しかもそれすらもそろそろ時代遅れになろうとしている、そんな錆びた刃だったのでした。
知り合いとかにピクチャレ大会を見せると多くの人に「すごいね」と言ってくれるのですが、
残念ながらこれだけでは本物のwebクリエイターの世界では通用しそうにありません。

なのでもし業界未経験だけどどうしてもweb系エンジニアの道に進みたい場合は、
ピクチャレ大会みたいな古臭いサイトなんかよりも、
フレームワークを使ったモダンな構築のサイトをポートフォリオに入れることをオススメします。
それができない場合は、未経験の素人は溢れかえっていて養う余裕が業界にはないので、
まったく関係ない仕事をしたくないのであればこの業界に来ることはオススメしません。
あ、ちなみにこれはもっぱらバックエンドの話です。フロントエンドはわかりません。
でもフロントエンドはもっと厳しい、という話はちらほら聞きますね……。
インフラやアプリ開発、ゲームといった他業種はどうなんだろう?
ゲームはコロナ禍でわりと潤っているような印象はあるけど……。

自分はコロナ前の滑り込みセーフでこの業界に入ってしまいましたが、
レガシーなスキルしか持っていないのでそういう意味では日々焦りしかありません。
とはいえ自分も結局開発現場には入れてなく、
現在は既存サイトの保守運用という退屈な仕事を任されているので、
現在進行形でスキル不足に悩むというわけではないんですけどね。

ただ、そろそろ二年目に突入するwebエンジニアとしてのキャリアが、
この一年で全然育っていないことはやはり危機感があります。
想定では、最速二年でSESは卒業して自社開発系ないしフリーランスという計画でしたが、
業界の状況を鑑みるに、コロナ禍のうちは転職をしないのが無難っぽい気がします。
とても就職先があるとは思えない。
ただ、ずるずるとSESを続けていったら何のための上京かっていう話にもなるんですけどね……。

という、仕事にまつわる近況報告エトセトラでした。
次これ系の話をするときはもうちょっと具体的なスキルの話をしたいですね。
今日は01時半就寝07時起床、目覚ましをかけ忘れるという愚行で遅刻もワンチャンありましたが、
スーパー銭湯のおかげなのか07時に自然覚醒できたのでなんとかなりました。

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