#6430

人智を越える生存戦略


文化

オリンピック連休最終日。03時就寝12時起床。

突然ですが、SNSで仲良くなった人と「目黒寄生虫館」という博物館に行ってきました。
ネット上の交流から実際に会うケースは、合コン等を除くとこれで4例目です。

正直、前の3例目がかなり微妙だったので会うのは身構えていました。
いまだから書きますが、2019年春当時の匿名SNS全盛期だったころ、
何百人という人数と交流をする中で、本当に気が合って仲良くなった人は何人もいました。
その中でももっとも仲良くなった人とは毎日5時間くらい通話するほどになり、
中身の無い様々な話の中から自然と「リアルでも会ってみたいね」という話になりました。
相手はたまたま近場に住んでおり年下で独身の女子だったので、
もしかすると恋愛に発展するかもしれないと思わなかったわけではありません。
というより自分より相手の方がそういう意味での期待を高く見積もっていた感があります。

ただ、いざ会ってみれば、その人はいろんな意味でおしゃれを放棄した人でした。
申し訳ないけどさすがの自分でもとても異性としては見れないし、
それに一緒に居てもずーっとスマホをいじっていてこちらを見ない。
そして、同行中にその人のバイト先から「今すぐ帰ってこい」「来なかったらクビにする」
といった連絡が入ってきてテンションはだだ下がり。
結局その後、表面上は「今日はありがとう」「楽しかったね」と言葉を交わしましたが、
お互いに何かを察したのか翌日から一切連絡することはなくなりました。

そういうわけでちょっと地雷を踏んでしまった過去があるので、
ネット上の人格と実際の人格はやっぱり別物だと割り切る必要があると強く痛感しています。
ネットでどんなに気が合ったとしても、
それは書き言葉としてのコミュニケーション能力がちょっと優れているだけで、
実際に会ったところでネットと同じように気が合う保証なんてどこにもないわけです。
特に異性間ではどうしても見えない部分を理想で補完してしまうので難しいと思います。
たくさん通話していたとき、相手から見た自分はさぞかしイケメンだったのでしょう。

というわけで相手には期待しないを徹底して匿名SNSを続けている昨今ですが、
例の多肉植物関連で今月初頭にたくさん本を買ったとき、
そのことを何気なくつぶやいたら生物学が大好きという人からリプライが来て、
そこから生物話がかなり盛り上がりました。
先日も書きましたが、自分は生物が好きとはいってもかなりひねくれていて、
普通にネコなどの哺乳類も好きですが、多肉植物のような珍奇植物や微生物や無脊椎動物、
共生をする昆虫や社会性動物、寄生虫なども好きだったりします(ゴキブリ等身近な害虫は例外)。
これはかなり希有な嗜好だと思うのですが、
驚くべきことに相手も同じように一般人にはドン引かれるような生物学のジャンルが好きでした。
具体的には寄生虫や解剖学、食虫植物といった類ですね。

それでだいぶアンダーグラウンドな生物学話で盛り上がっていたのですが、
そういえば目黒に寄生虫専門の博物館があるらしいですよという話になり、
検索してみたら現在期間限定で「ロイコクロリディウム」の幼虫生体を展示していることが判明。
(※陸貝に寄生する吸虫の一種。とってもグロいので検索には要注意)
それで、相手の方から良かったら一緒に行きませんかと申し出を受けたという次第です。
世の中いろいろな形の縁があると思いますが、
ロイコクロリディウムをきっかけに会うというのはなかなかレアケースのような気がします。

13時に目黒駅に集合して、さっそく行ってみました。
寄生虫というのは「多肉植物」のような呼称と同じで分類名を指すものではなく、
実際には動物分類のうちかなり多岐にわたって存在しています。
より原始的な寄生虫としては赤痢アメーバのような単細胞生物も存在します。

寄生虫の多くは、より大きな動物の体内に入って栄養を一方的に摂取します。
一度何らかの動物に寄生したらその体内で一生を終える(あるいは増え続ける)寄生虫もいますが、
中には幼虫として過ごす宿主と成虫として過ごす宿主を分ける場合もあり、
この場合の幼虫として過ごす宿主のことを中間宿主、
成虫として過ごす宿主のことを最終宿主と呼びます。これは動物の食物連鎖を利用したものです。
寄生虫は、中間宿主が最終宿主に捕食されることを期待します。
そのため、その確率を高めるためにさまざまな生存戦略が実行されます。
中には、宿主の動作を直接的あるいは間接的に操って最終宿主に捕食させる寄生虫もいます。

寄生虫は、一見すると自然界にとっての害のように見えますが、
実は寄生虫の存在が自然を支えているという見方もあるようです。
たとえば典型的なヒモ状のミミズのような形のハリガネムシは、水中が主な生息域です。
小さなハリガネムシの卵を濾過摂食する水生昆虫の幼虫が食べることによって体内で仮死状態となり、
その昆虫が成虫になって水の外に飛び出したところをカマキリが捕食すると、
カマキリの中で仮死が解除されて成長を始めます。
成長したハリガネムシは卵を産むために水中に戻りたいので、
頭にタンパク質を送ることでカマキリを操り、入水自殺させます(恐ろしい……)。
そして最終宿主が水に入ったタイミングを見計らってお尻から外に出て水中生活を始めます。
あとは相手を見つけて交尾して卵を産んで、またその卵を水生昆虫が食べて……という繰り返し。

ここで重要なのは、カマキリが水中で死ぬことです。
水中で死んだカマキリは、その生息域にいる大きな水棲生物(魚など)の貴重な食糧になります。
もしカマキリが飛び込まなかったら魚たちは食べるものに困るので、
そのぶんハリガネムシの中間宿主になる小さな水生昆虫を食べるようになり、その数が減ります。
どんどん減っていったらついに食べるものが無くなって、捕食者も去ってしまいます。
ハリガネムシは自分が生存しやすい環境を保全することで、
生息域における水中の食物連鎖のバランスを支える役割をしているわけですね。

ついつい相利共生は善いもの、素晴らしいものと評価する一方、
寄生は悪いもの、ズルいものと評価しがちですが、それは人間のモノサシでしかありません。
自然界は人間の想像を超えた形でさまざまな生存戦略が成されていて、
そしてそれらが互いに少しずつ影響を与え合っているということを寄生虫を見て考えさせられます。

今回会った相手は結局自分の想像を裏切り、普通に東京都民という感じだったので安心しました。
ただ、だからこそ恋愛的な期待はしていません。
この辺は自己肯定感や自尊心、生活スタイル等の問題もあり、なかなか難しいところではあります。
自分は、合理的にはずっと独身の方がQOLは高くなると考えているタイプなので。
最近流行りのスキゾイドというやつですかね。ただ、HSPではないと思っていますが……。

まぁ、それはさておき生物学という範疇で仲間と出会えたのは良かったです。
そして、それによって生物好きがますます加速しそうな予感。
その第一弾としての多肉植物栽培はなかなか整備が進んでいませんが、
ほとんどあとはタネを注文するくらいなので来週にはさすがに決着をつけたいところです。

あと、余談ですが昨日スーパー銭湯に置いてきてしまったイヤホン、誰かに持っていかれました。
もし更衣室にあるのなら昨日の営業終了後の清掃で見つからないわけがないので、
自分が更衣室を出てから退館するまでの間にパクられてしまったのでしょう。
さすがにそろそろ限界を感じていて最近買い替えを検討していたイヤホンなので、
そこまで喪失感はないですが、まぁ残念ですね。
そして、こうなると改めて完全ワイヤレスイヤホンを買う言い訳ができてしまったわけですが、
多肉植物関連でかつてない出費が続いている現状を考えるとかなり厳しいような。
しばらくは有線で様子見でしょうかね……。

この4連休、ちょっと計画が疎かになっていた感が否めません。
スーパー銭湯のおかげで読書は進みましたが、当初予定をクリアしようという意気込みが皆無でした。
夏休み9連休はリベンジをしたいところ……ですが、
その前に怒濤の二連続五連勤が待ち構えています。
普段は四連勤ですが夏休みの関係で契約日数が減ってしまうので、
その補完として金曜日も出なければなりません。
今週は別室で作業できて実に快適だったので、またそうなればいいなとは期待していますが、
いずれにしろ朝の地獄を5回連続で凌がなければならないという事実からは逃れられません。
能動的な作業に対するやる気がかつてないほどどん底なのも深刻な問題です。
このまま9連休を迎えても生産的なことができないのは火を見るより明らか。
さてどうしたものか……。

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