#6748

ミニアプリの可能性


デジモノ

貫徹してしまったので早めに書いてさっさと寝ることにします。

昨日、WWDCの発表内容のうちApple Watchに注目してそれについてだけ書きましたが、
そういえばもうひとつの注目ポイントがありました。それはPWA(Progressive Web Apps)です。
以前も書いた記憶がありますが、
PWAとは簡単に言えばスマホ上でアプリのように振る舞うことのできるwebサイトのこと。
Safariを使ってホーム画面にwebサイトへのショートカットを作成することによって、
それ自体がアプリアイコンとなり、Safariとは別のプロセスでwebサイトを開けるようになります。
AndroidやパソコンのGoogle Chromeにも同等の機能があります。

この仕組みは基本的にAndroidを擁するGoogleが推進しており、Appleはかなり消極的です。
そのため、Androidと比べてAppleはPWA周りの対応が遅れていると以前から言われていました。
特に、アプリが通知をできるようになることがアプリ業界からは期待されていました。
なんで通知機能が大事なのかというと、
機能としてはもうPWAとネイティブアプリの差がそれくらいしかないからです。
それだけwebサイトとアプリの垣根が無くなってきているということでもあります。

PWAはモバイルサイトをアプリとしてリリースできる手軽さが最大の魅力であり、
特にアプリエンジニアでもない我々web屋さんでも既存の技術でアプリが作れるのは素晴らしいです。
PWA対応のフレームワークでwebサイトを作ればそれがそのままアプリになるんですからね。
では、Appleはなぜこれに消極的なのかというと、
おそらくアプリ市場の秩序が乱れることを懸念しているのではないかと思われます。

PWAではない純正のアプリは必ずAppleの審査を経る必要があり、
Appleはアプリの内容にルール違反があると判断すればいつでも削除できる権利を持っています。
しかもそのルールはAppleが一方的に決めるもので、ディベロッパーは従うしかありません。
さらにアプリをApp Storeに掲載するには年間1万円ほどの登録料を支払う必要がある他、
アプリ内課金の売上の30%はAppleに納めなければなりません。
これに納得できず回避策を盛り込んだ『フォートナイト』というゲームは規約違反で削除され、
この一件を巡ってディベロッパー(Epic Games)とAppleは現在裁判で抗争中となっています。

Appleという巨大な権力がアプリ掲載のルールを牛耳っているこの現状は、
よく言えばAppleがウイルスや有害コンテンツからユーザーを守ってくれていると言えます。
iPhoneがAndroidと比較して少なからずアプリ全体にクリーンなイメージがあるのは、
Appleが独裁的だと批判されながらもこのスタイルを貫き、コストを払ってきたおかげでもあります。
そのために幾許かの手数料は徴収しなければならないというのは筋が通っていると思います。
しかし、たとえば電子書籍リーダーなどアプリ内がコンテンツの販売所となっている場合、
このルールではコンテンツが売れるたびにAppleへ手数料を支払わなければならなくなります。
このルールをあらゆるアプリに適用するのはいささか横暴であり、
ある程度の例外を認めるべきなんじゃないかとも思うわけです。
特に、個人でやっている場合などの零細ディベロッパーにとって手数料の負担は大きいでしょう。

PWAは、そういったしがらみを一気に解決して誰でもミニアプリが作れるようになる仕組みです。
実態はwebサイトなのでAppleによる審査は無いし、手数料を徴収されることもありません。
いわばAppleとは独立した、ディベロッパーの自己責任で提供されるものです。
これが普及すれば、いままでルールがネックになっていたアプリも提供できるようになります。
手数料ルールがネックになる電子書籍ストアなどのデジタルコンテンツ市場はもとより、
1万円出してディベロッパー登録するまでもないニッチなアプリなんかも、
PWAを利用してパパッと作れてしまうのは魅力的だと思いませんか?
ちなみに裁判中で削除されているスマホ版『フォートナイト』も、
実はPWAの技術を使ってiPhoneでプレイできるようになっています。

そんな感じで従来のアプリのような開発コストを支払わなくても実現できる、
いわば野良アプリとしての可能性を秘めたPWA。
iPhoneの次期アップデートであるiOS16では、ついに通知機能がつくとの噂です。
もしこれが現実になればPWAは爆発的に普及するのではないでしょうか。
ただ、Appleからしてみれば損しかしないので本当に実装されるかどうかは微妙なところですが。

個人的には作る側としても利用する側としてもPWAは楽しみです。
アプリの可能性が広がるということは、スマホの可能性が広がるのと同じですからね。
まだiOS16にPWAの通知機能が付くかどうかは確定ではないですが、楽しみに待ちたいと思います。

今日は冒頭に書いた通り貫徹しました。例によって貫徹しても頭への負担を感じないのはなぜ。
あと、ゴールデンウィーク以来負け癖のついてしまっていた仮想通貨取引ですが、
今朝の電車内で勝ち確定なチャートに巡り合い、久々に50万円を超える純益を叩き出しました。
やっぱり、変に保険をかけてポジションを取っても良いことないなとつくづく。
あと、ここぞというタイミング以外は手を出さない。これかなり大事。
仮想通貨全体はイマイチ上昇トレンドに乗り切れず歯切れの悪いチャートを描いていますが、
なんとかうまく立ち回って先々月下旬のような景気のいい成績を出したいものです。

コメントを残す