Magic:the Gathering(マジック:ザ・ギャザリング)は、1993年に数学者のリチャード・ガーフィールドによって開発され、アメリカ合衆国のウィザーズ・オブ・ザ・コースト社によって販売された世界で最初のトレーディングカードゲーム。略称はMTG、マジック、ギャザ等。
最初のカードセット『アルファ版』が発売されてから25年以上が経った今もコンスタントに新規エキスパンションが発売されており、2019年02月時点のカード総数は実に19000種を超える。丁寧に編み込まれた総合ルールを敷きつつも、「カードはルールに勝つ」という理念のもとに個性豊かなカードが数多く生み出されており、無数のデッキを作成することができる。
競技としてのMTGも長い歴史を持ち、公認店舗に行けば誰でも参加できる小規模大会から、賞金総額30万ドルを賭けてその年のトップを決める「世界選手権」など、多種多様な競技やプレイヤーが存在する。トッププレイヤーはプロとして認定され、MTGだけで生活できるほどの報酬を得ている。
コレクターアイテムとしてのMTGも他のTCGの追従を許さない。全種中トップレアと言われる《Black Lotus》は、その汎用性とイラストの美しさ、すでに絶版されており再版されないことが約束されていることもあり、『アルファ版』の美品には数百万円の値がつくこともある。全体的に西洋ファンタジーの趣が強く、簡単に手に入るコモンのカードでもイラストは手抜きされず美麗である。コレクター需要が強いため、イラストの評価が高いカードはゲームで使えなくても高額になる。
ゲームとしてのMTGは現代のTCGの中でも最もシンプルで、2人がお互いにターンを交換し合って進めていく対戦ゲームである。自分のターンになったらまずカードを1枚補充する。手札の中に「土地」があればそれを場に出す。土地はタップ(横向き)にすることで、それと同じ色のカードの使うためのコストに使う。土地をタップして出せるカードにはクリーチャーを召喚するものや、「手札を追加で引く」などの自分に有利な効果をもたらすソーサリー(呪文)などがある。これらをコストがある限り使って、クリーチャーの攻撃などで相手にダメージを与えていく。カードを使い切ったらターンを交代しこれを繰り返す。最終的に、初期20点ある相手のライフを先に0点にした方が勝利となる。
また、MTGは「次元の探訪(プレインズウォーク)」を軸とした背景ストーリーも非常に緻密にできており、これ単体でも多くのファンが存在する。公式サイト上で小説を読むことができる他、カードにもストーリーの1シーンが登場したり、ストーリーで描かれたキャラクターが後のカード化することもある。発売される各エキスパンションは大抵どこかの「次元」を舞台とした背景ストーリーが設定されており、プレイヤーはその物語の中で戦うプレインズウォーカー(次元探訪者)の一人である。
◆関連リンク
・公式サイト
・マジック:ザ・ギャザリング 日本公式サイト
・Gatherer(カード検索データベース)
・MTG Wiki